研究課題/領域番号 |
24300054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
馬見塚 拓 京都大学, 化学研究所, 教授 (00346107)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 機械学習 / 生体生命情報学 / 人工知能 / ゲノム / プロテオーム |
研究概要 |
本研究では、グラフやネットワークに代表される「半構造化データ」とネットワークの「ノードに付随する特徴(属性)データ」を入力し、内在する真のデータ構造を効率的に推定し出力する汎用手法を構築する。より具体的には、「ネットワーク(リンク)」と「ノードに付随する特徴」の2つから、リンク予測(ネットワークの未知リンクの推定と既知リンクの修正)とラベル伝搬(未知特徴の推定)の二つを行う効率的な手法、さらには、これら二つの概念は機械学習ではそれぞれ別々の文脈で発展してきたが、リンク予測とラベル伝搬を統合する手法を構築しデータからの知識発見の効率化への貢献を目的とする。 今年度に展開した成果は、以下の2つである: 1、リンク予測:リンク情報のみからリンク予測を行う、カーネルをベースにした手法を構築した。すなわち、これまでの同様の手法は確率モデルに基づく手法でサンプリングにより非常に計算時間がかかると同時に精度が高くないという問題を持っていたが、両方の問題を同時に解決する手法を構築した。 2、ラベル伝搬:複数グラフ上のラベル伝搬に関して、誤差関数と正則化項からなる目的関数の最適化において、新しい手法を提案するとともに実証実験を行った。特に正則化項にL1およびL2ノルムの両者を考慮することにより、ノイズの多いグラフを自動的に排除する手法を構築し、性能を既存手法と比較し、性能上の優位性を示した。 これらの成果を踏まえ、今後、上記2つの概念を統合する手法を構築していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リンク予測およびラベル伝搬いずれに対しても、目的関数最適化とカーネル手法の構築という概念から新しい手法を構築し、両概念を統合する足がかりとしているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後もリンク予測、ラベル伝搬に関する高精度手法の研究を推進し、その過程で両者を包括する概念を構築する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
計算サーバ増強費用、研究成果発表旅費、グループ内研究打ち合わせ旅費、インプリメントを推進するための大学院生RA雇用費用、雑誌掲載時のopenaccess fee等を予定している。
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