本年度においては3つの課題に取り組む予定であったが,連携研究者の異動や休業等があり,教育現場での評価実験が困難となった.本年度は研究成果であるソフトウェアの機能拡張,品質向上と,できるだけ長期に継続利用できるようにするための作業(全体テストと修正)を実施し,成果を得た.具体的には次の通りである. (1)初年度より継続して構築してきたシステムに,前年度までの教育現場での評価を反映した機能拡張を行った.実際の看護師および看護学生の教育現場に,知識閲覧用のブラウザを搭載した端末を導入して教育訓練を行い,様々な指標について測定し評価した結果.例えば,看護の手技には通常,複数の根拠があるが,従来のブラウザでは単一の根拠しか表現することができなかった.また,搭載する端末の性能により (2)システムの全体テストを実施した.本研究では初年度より4年間,継続して機能拡張を進めてきた.各機能拡張時には,機能単体でのテストを実施してきたが,今後,研究成果として継続利用するためには,システム全体としての安定性を確保する必要がある.最終年度,システム全体の評価実験を行い,結果をまとめた. なお,平成28年度以降も,大阪大学医学部看護学科において,本システムを利用したフィジカルアセスメント教育が実施されることが内定しており,本研究成果は継続利用される予定である.本年度,公表できなかった研究成果については,平成28年度以降に,公開される予定である.
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