研究実績の概要 |
本年度は,以下の3項目について検討を行った. 1. 前年度に準備的検討を行った5つの基本アルゴリズム (A-1) N次元信号 (N=1,2,3) を対象とする汎用高精度対応付けアルゴリズム,(A-2) エックス線画像(透視画像)に特化した高精度対応付けアルゴリズム,(A-3) 複数の異なる視点・異なるモダリティの画像を対象とする高精度対応付けアルゴリズム,(B-1) 局所位相記述子を用いた汎用画像照合アルゴリズム,(B-2) 医用ボリュームデータに特化した個体識別アルゴリズムを戦略的な応用に適用するとともに,広範なアプリケーションのための標準化されたサブプログラムの開発を検討した. 2. 前年度に実験的検討を行った5つのアプリケーション(ア)能動型計測に匹敵する精度を有する受動型3次元計測技術の研究開発,(イ)高品質な画像・映像の生成・処理・提示技術の研究開発,(ウ)高速・高精度マシンビジョン技術の研究開発,(エ)バイオメトリクスデータのロバスト照合による高信頼個人認証技術の研究開発,(オ)医療用多次元画像解析技術への応用について,前項1の基本アルゴリズムに基づくプロトタイプシステムの開発を検討した.特に,(ア)では,ディジタルカメラを用いたオンライン3次元計測システムを開発し,写真を撮るたびに計測対象の3次元形状を高精度に計測できることを実証した. 3. プログラマブルな汎用GPU,DSP,FPGAなどをターゲットにしたソフトウェアライブラリおよびMATLABからのコード生成環境およびFPGAやASICをターゲットにしたシステムの高水準合成環境を検討した.特に,前項1で検討した基本アルゴリズムを汎用GPU上に実装するための技術を検討し,処理の高速化が可能であることを実験的に確認した.
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