研究課題/領域番号 |
24300070
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安藤 繁 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (70134468)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 時間相関イメージセンサ / 荷重積分法 / 固視微動 / 生物模倣 / オプティカルフロー / 三次元形状計測 / 特徴抽出 / 逆問題 |
研究概要 |
本研究は,申請者独自の生物着想型のセンシング原理とデバイス・アルゴリズムに基づき,現在のイメージセンサと画像処理アルゴリズムからは発想することも到達することも困難な,高い情報抽出能力と統合的知覚機能を有する視覚システムの実現を目的とするものである。平成25年度においては,まず時間相関カメラについて,周波数特性の補償,強度相関振幅比の推定,固定パターン雑音の2次補償方式の実装など,そのハードウエアの高度化を実施した。次に,固視微動型撮像の数理モデルを荷重積分法の理論に基づき数学的に厳密かつ直接代数的に扱う方法について理論解析を進展させ,この結果,一般化オプティカルフロー偏微分方程式とその荷重積分法による厳密解という新たな枠組みを得た。これは,時間空間的に変化する係数を有する偏微分方程式に関して,そのパラメータ推定を介して対象情報を得る方法論を提供する。この具体的応用として,時間相関カメラの円振動状の固視微動に基づく対象の微小円運動の半径からその点までの距離を検出する新たな三次元計測法を開発し,この実証システムを構築した(平成26年4月に特許出願済み)。さらに,この原理を車載カメラなどからの撮像で頻繁に発生する時間的に変化するオプティカルフローの検出,三次元情報と運動情報の同時取得,固視微動による特徴点検出や超解像に利用するための理論を構築し,最終年度に向けて,実証システムを構築するためのハードウエアの設計と整備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
固視微動を数理的に表現し,その厳密パラメータ推定を可能にする新たな原理が発見された。また,この原理から非常に実用性が高くかつ従来にない高い精度と頑健性を有する三次元計測法が開発された(特許申請済み)。
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今後の研究の推進方策 |
理論面においても,企業の参加を得た実用化開発においても,さらに格段に進展させてゆく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
発注品の納品が次年度4月であったため 4月に繰越し額の8割程度を使用する予定である。
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