研究課題
看護業務の質や量の増大に伴い,看護教育の在り方を再考する必要がある.本研究では,要介護ロボットを用いることで,患者を扱う際に看護学生が自分のスキルを向上させる教育システムの構築を提案している.ここでは,ベッドサイドから車椅子へまたはその逆へ患者を搬送する車椅子移乗動作を対象とした.前年度までに作成した要介護ロボットを用いて,実験をおこなった.複数人の看護師が,健常人を患者と見立てて車椅子移乗動作を実現した際の健常人の動作と要介護ロボットの動作を比較し,その体幹に移動軌跡の比較を行った.車椅子移乗タスクの獲得を支援する教育装置として十分な動作の再現性という観点から評価を行った.結果として,要介護ロボットが移乗される人間の動作を再現できていることを確認した.最後に,実際に20名の看護学生を対象として,要介護ロボットを用いた車椅子移乗動作支援スキル獲得実験を,対照実験の形式で行った.10名が要介護ロボットを用いたスキル獲得を行った群,10名が要介護ロボットを使わず人間を対象として車椅子移乗動作スキル獲得を行った群とした.評価は,事前事後それぞれにおいて,学生に車椅子移乗動作を実行してもらい,事前に準備した20個の評価項目に対してそれぞれが達成できているか否かを看護教員がチェックすることで,行った.結果として,要介護ロボットを用いることで,より車椅子移乗が困難な患者に対するスキルの向上をみることができた.これより要介護ロボットの妥当性を示すことができた.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (3件) 備考 (1件)
Advanced Robotics
巻: 29 ページ: 1269/1285
10.1080/01691864.2015.1052012
IEEE Transactions on Learning Technologies
巻: 7 ページ: 319/332
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/TLT.2014.2331252
http://otalab.race.u-tokyo.ac.jp/