研究課題
研究目的は、培養した基盤上の神経細胞のネットワークと、人工神経ネットワークのモデルと対応させながら、生命システムの持つ自律性、ロバストネス(頑強性)、ホメオスタシス(自己維持)などを徹底的に研究することにある。特に本年度の研究正解について、以下のような進展があった。培養神経細胞の学習:Shimon MaromとGoded Shahafら(2002)らの実験を再考し、Hebb学習だけによる教師なしの学習の可能性を追求した。彼らの報告は、神経細胞には刺激を受けたくないという神経細胞ネットワークの原理があると解釈することもできる。われわれは、このことを培養神経細胞の活動をCMOSアレイの計測装置で調べる実験と、同じ状況を人工神経細胞のシミュレーション実験として行った。その結果、1)自律運動ロボットにつなぐことで、培養神経に刺激が行き、その結果がロボットにフィードバックされる実験で、教師なしの学習が進む過程が観察された。2)シミュレーション実験でも、同様に学習が成立することを見出した。この結果をそれぞれ人工生命の国際会議に2015年の3月初めに投稿することが出来た。この研究プロジェクトでは、神経細胞集団の示す「ホメオスタシスの動力学」(ホメオダイナミクス)を調べることがテーマとなっている。培養神経細胞に自律運動ロボットをつなぐ1時間とその前後の1時間で、どのように神経細胞の活動が変化したか、を計測した。その結果、ロボットをつながずに刺激だけする場合とくらべ、ロボットをつなぐ前後で神経細胞ネットワークの実効的な結合強度があがっていることを示した。このことも上の投稿論文に記載されている。また本年度は最終年度でもあり、神戸理研においてCMOSアレイ開発者らとともに研究集会を開催した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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the proceedings of ECAL2015
巻: - ページ: -
PLoS ONE
巻: 9 ページ: 0102708
10.1371/journal.pone.0102708