研究課題/領域番号 |
24300087
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
赤松 茂 法政大学, 理工学部, 教授 (50339503)
|
研究分担者 |
行場 次朗 東北大学, 文学研究科, 教授 (50142899)
伊師 華江 仙台高等専門学校, 建築デザイン学科, 准教授 (10435406)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 感性インタフェース / 顔情報処理 / 3次元モデル / 顔認知 / 高次視覚印象 |
研究概要 |
顔の見え方を規定している物理的要因と人間によって顔から知覚される高次視覚印象の心理量との関係を分析し、人間・コンピュータ間での高次印象の認識・生成を可能にすることで、感性インタフェースの実現を目指そうとする研究を進めた。今戴の主要な成果は以下のとおりである。 1幾つかの代表的な表情を表出している際の人物の3次元顔形状データの収集を継続し、これらの顔データに対して特徴点の自動対応付け処理を実施することによって表情変化を表す3次元モーフィングモデルを構築し、当該モデルのパラメータを調整することで、人間による印象判断と概ね一致する表情の生成が可能であるとの見通しが実験によって得られた。 2顔の3次元像の動的変化と高次視覚印象の関係を明らかにする技術基盤として、モーションキャプチャを用いて抽出された顔面の少数の特徴点の3次元的動き情報から、上記の3次元モーフィングモデルを活用することで、任意人物の顔3次元像の変形を自動生成して可視化するアルゴリズムを開発し、その妥当性の評価を開始した。 3顔の局所的情報と高次視覚印象との関係に関しては、顔による老若や社交性の印象判断を例として、顔印象の一対比較を行う際の視線の注視点の時空間分布と印象判断の次元との関係を視線追跡装置を用いて探る実験を行い、今後の比較考察の出発点となる基礎データが得られた。 4顔による年齢推定・老若判定のモデル化を目指す取り組みとして、Gabor特徴を用いた顔画像からの年齢層の自動識別法について、人間の認知能力との比較を行う実験が進展した。 この他、実際のコミュニケーション現場における表情や化粧による顔の印象変化に関する心理学的検討、視覚パターンに対する印象認知のメカニズムに関わる基礎的検討、そして、視線の自動検知による感性インタフェースシステム実装に関する検討などで、それぞれ成果が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「9.研究実績の概要」に示した4つの研究課題に関して、いずれも経過報告の段階ではあるものの、今後の展開の一里塚と位置づけられる成果が得られており、その結果、雑誌論文11件(うち査読有りが6件、但しProceedingsを含む)、学会発表18件という満足すべき成果をあげることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
いずれのテーマについても、今後の研究展開における一里塚とみなしうる実験結果が得られているので、当初の計画にそって研究を継続することとしたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に出席を予定している国際会議の参加登録ならびに論文投稿の期限が当初の予定よりも遅くなり、投稿論文の英文添削費および参加登録費の支払いが平成25年度にずれこんだため、平成25年度の当初予算と合わせた研究費から支出する予定である。なお、平成25年度におけるその他の支出は当初の計画どおりである。
|