研究課題
研究のねらいストレス管理やメンタルヘルス対応において、一般にストレスのスクリーニングには自記式アンケートが使用される。しかしながら、これにはreporting bias(記入者の意識による操作)が排除できない。そこで、それを克服するため、簡便で安価であり、日本語対応に優れた純国産の音声感情認識技術を用いたストレス評価用のソフトウェアを開発した。研究内容プログラムの開発にはAGI社製Sensibility technology ST Emotionを用いた。このソフトウェアは、自然発語の音声から、感情に特徴的なパラメタを検出し、そのパラメタの発言頻度と発言パターンから、音声内に怒り、喜び、哀しみ、平穏の各成分がどの程度の割合で含まれているかを示す。この基本エンジンを用いて音声の鬱度を示すようにした。開発されたソフトウェアの評価のため、恒常業務につく自衛官444名と東日本大震災に派遣された自衛官1004名に対して自記式の心理テスト(GHQ30)と音声ストレス評価を実施し、どちらかの検査で異常と判断された者のうち、面接の同意を得た225名に対して面接の結果と比較した。その結果、音声ストレス評価は検査の感度・特異度ともGHQ30と同程度であり、問題であったreporting biasも克服できた。
3: やや遅れている
音声によるストレス評価は感度においては満足のいく程度まで開発されたが、特異度においては更に精度を上げるべく、開発を進める必要がある。そのためには、さらに臨床データの蓄積が必要である。
臨床データ蓄積のため、分担研究分担者や研究協力者その他の施設との連携を強化する。
主として年度末の学会参加、論文の校正費用や掲載料金等として留保していた予定額であるが、論文の作成や投稿後の処理に時間がかかり、年度をまたぐことになったため。時期が遅れたものの、26年度分として計画的に使用する予定である。
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