研究課題
今年度は,是まで開発した解析手法を適用し,神経回路網のパターンの識別とその経時的変化を解析した.誘発応答パターンの階層的類似性を階層型クラスタリングにより解析した.任意の 3 電極において 5 秒間隔で定順序で刺激を繰り返すスキームと,5 秒間隔,10 秒間隔で無作為で刺激を行うスキームでそれぞれ実験を行った結果,定順序刺激と無作為順序刺激とによる刺激誘発応答パターンの分類精度には差があり,無作為順序刺激に対する誘発応答は 1 つのクラスに異なる電極の刺激によるパターンが含まれていることにより分類精度が低くなることを発見した.この原因としては,直前の刺激以前の履歴の影響が存在する可能性が考えられる.しかしながら,発現する誘発応答パターンの一部を入力することで,全体のパターンが想起されるという連想記憶現象は,明確には確認できていない.是は,前述のように神経回路網のダイナミクスには履歴性があり,連想的なパターンの想記が入力の時系列によって大きく攪乱されていることも原因であると考えられる.ファジィSOMによる神経活動パターンの識別手法を確立し,是を用いて培養神経回路網における自発性神経活動と刺激による誘発応答の空間的活動パターンの関係性を解析した.自発性活動パターンと誘発応答パターンとは,互いに共通した神経電気活動パターンを有していることを明らかにした.入力と出力との間にはルーズな対応関係が存在することが示唆された.さらに,神経活動へのランダムな入力を繰り返すことにより,自発性活動と誘発応答とで共通する活動パターンが時間経過に伴って変化し,自発性活動パターンと誘発応答パターンとが互いに分離することが確認され,神経回路網への入力によって,特定の活動パターンが誘発されやすくなることによる教師なし学習で行われていることが示唆された.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 5件)
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