研究分担者 |
車 炳王己 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (10310004)
末竹 規哲 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (80334051)
河野 英昭 九州工業大学, 大学院・工学研究院電気電子工学研究系, 准教授 (00404096)
田向 権 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 准教授 (90432955)
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研究概要 |
多くのディスプレイが高解像化に向かう中で,高解像画像のストレージや伝送の物理的負荷が増加しており,その対策は急務である.本研究は,保存や伝送負荷の少ない低解像画像から高倍率拡大によって高解像画像を得る新しい枠組みを提案する.この枠組みでは,手元に高解像画像があることを前提とし,高解像画像を低解像画像(縮小画像)へ変換する際に,拡大処理によっては復元できない成分を埋め込むことで,拡大時に読み出した情報で補償する. 本年度においては,これまでに申請者が開発したファジィ推論を応用したコードブック画像拡大法で出発点となる縮小画像に対して事前に「仕掛け」を施すことで,これまで歯が立たなかった高倍率画像拡大における画質の高品位化を実現することを目標とし,画像特徴抽出に関する基礎理論の検討およびアルゴリズムの実装・高速化に関する以下の研究を行い,高倍率画像拡大実現の可能性を確認した. 1)画像の高周波成分を抽出し,それを定義型コードブック化する高速アルゴリズムを考案し,良好な結果が得られ,これをジャーナル,国際会議等にて公表した. 2)自己縮小画像中に,拡大時必要と思われる高周波成分を埋め込む手法として,まず画像の特徴のコードブック化を行い,情報を縮小画像に埋め込む手法の検証を行い,そのシミュレーションにおいて良好な結果が得られた. 3)自己縮小画像に前述の手法を応用し,高品質画像拡大が可能であることを検証した. また,当該年度に得られた研究成果のさらなる高倍率化・高速化を図るため,アルゴリズムのハードウェア化を実現するアイディアを精査し,次年度以降の研究計画について検討した.
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次年度の研究費の使用計画 |
ファジィ推論を用いた往復型画像拡大を定式化し,単純なグレースケールの標準画像を用い検証を行うと共に,ハードウェアアクセラレーションの実現のため、H24年度の基金助成金使用残額もハードウェアアクセラレータの設計や試作品の作製に充てる.さらに,主観的・客観的評価を行い,カラー画へも対応していく.
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