研究課題
多くのディスプレイが高解像化に向かう中で,高解像画像のストレージや伝送の物理的負荷が増加しており,その対策は急務である.本研究は,保存や伝送負荷の少ない低解像画像から高倍率拡大によって高解像画像を得る新しい枠組みを提案する.この枠組みでは,手元に高解像画像があることを前提とし,高解像画像を低解像画像(縮小画像)へ変換する際に,拡大処理によっては復元できない成分を埋め込むことで,拡大時に読み出した情報で補償する.本年度においては,これまでに私たちが開発したファジィ推論を応用したコードブック画像拡大法で出発点となる縮小画像に対して事前に「仕掛け」を施すことで,これまで歯が立たなかった高倍率画像拡大における画質の高品位化を実現することを目標とし,画像特徴抽出に関する基礎理論の検討およびアルゴリズムの実装・高速化に関する研究を行い,高倍率画像拡大実現の可能性を確認し,さらに自己縮小画像中のコードブック作成においてファジィ推論を最適化し,ハードウェア化しやすいように,下位ビットのパターンを組み込んだ本手法を国際会議等で発表してきた.さらに本研究を,より高速で高精度に,より汎用的に対応するアイディアを精査するとともに,ハードウェア化しやすいよう手法を考案し,具体的な手法としては,従来からあるFPGAを用いたシミュレーションを行いハードウェア実装に最適な環境になるようにパラメータやビットの埋め込み方法を調整し,良好な結果を確認することができた.本研究の目的である「埋込型自己縮小画像コードブックとファジィ推論に基づく高倍率画像拡大法の開発」は実現された.
26年度が最終年度であるため、記入しない。