研究課題
これまでの2年間で構築してきたオンライン家電(ランプ)制御BMIを発展させるために、他の被験者のデータを用いて新規の被験者の内部状態推定を行うことができる新しい転移学習法(Morioka et al. NeuroImage 2015)を構築するとともに、実問題に必要な拡張性に富んだモデリングのもとでも良好な学習性能を持つ、Kullback-Leibler(KL)ダイバージェンスに基づく強化学習の一般的な枠組みを提案した(植野,JSAI2014優秀発表賞)。前者は辞書学習に基づき、多人数の被験者のEEGデータを共通パターン、被験者・セッションに固有の変換に分解することで、個人および時間という変動要因に依存しないヒストグラム型の情報表現を抽出する手法であり、共適応BMIにおいてより良い内部状態モデリングが可能となる。さらに、上記の被験者・セッションに固有の変換の類似度を可視化したところ、各被験者内で課題時と安静時の違いが被験者間の差に比べて小さいことが判明したので、新規の被験者が負荷の高いBMI訓練セッションを行うことなく、他人のデータを利用して安静時脳活動計測のみでBMIが可能となる転移学習技術を開発した。一方、JSAI2014の論文では、強化学習をグラフィカルモデルの推論問題へ変換することで、確率推論法からさまざまな強化学習法を導出できることを示し、方策学習の大域解への収束条件を議論し、実用的なモデルにおいても最適な方策の良い近似を与える新しい強化学習法を構築した。この学習法のツールボックスを作成するとともに、共適応BMIに適用するためにモデルと報酬を検討・定式化した。最後に、ランプを用いたBMIフィードバック実験を被験者1名で実施し、精度が向上することを確認した。今後も被験者を増やして検証実験を継続して行く予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 3件)
NeuroImage
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