研究課題/領域番号 |
24300098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 隆弘 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323422)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 医療情報 / 病院情報システム / 電子カルテ / 退院サマリー / テキストマイニング / データベース / 多施設研究 |
研究概要 |
本研究では最初に、各施設及び学会の電子カルテに対応した退院サマリー収集インターフェイスと解析プログラムを作成し、索引語の収集と頻度分析を行う。次いで得られたデータを集積して、全国共通の文書ベクトル空間を構築して自動疾患判定や類似症例の検索を可能とすると共に精度の検証を行う。平行して本手法が一般性を持つものであることを立証する。平成24年度は解析の基礎となるデータの収集を行い、重要語を症例別に抽出してベクトル空間を得る計画である。 ・データの収集と基本的解析 24年度内に千葉大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、香川大学医学部附属病院、高知大学医学部附属病院、長崎医学部附属病院の5施設からのデータ収集を行い、総計で約20万件のサマリーを抽出した。形態素解析によって約16万5千種、延べ2722万語の索引語が得られ、各施設ごとにサマリーの特徴や単語出現頻度の分析などを行った。 病院情報システムは退院サマリーの外部への一括出力機能を持たないことがある。本研究の参加校では千葉大学と大阪大学、高知大学は研究者自身で作業を行うことが出来たが、長崎大学と香川大学は機能を持っていなかったため、出力機能の整備と抽出作業の外部委託を行った。 各大学での倫理審査委員会の審査が年度内に終了しなかったため、本年度は抽出と基本的な解析を各施設内で行い、統計データのみを千葉大学へ集約している。 ・学会発表 第32回医療情報学連合大会において、本研究の構想を発表すると共に、中間報告として、施設間のサマリーの長さ、使われている単語、診断との関連の分析および、DPC判定結果の比較の結果を発表した。また、2013年8月にコペンハーゲンで開催される国際医療情報学会への投稿を行った。論文はアクセプトされており、現在までの成果を発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各施設での倫理審査に時間がかかり、抽出作業に遅れが出てしまった。島根大学では病院情報システムのリプレースに伴い、抽出作業を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は第一に、24年度に未収集の施設からデータを抽出して、施設間の比較を行う。 また、得られた全国共通のベクトルデータを用いて類似症例検索、DPC判定の機能を利用可能とするアプリケーションの作成を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度はデータ抽出ができなかった施設があるため、そのための経費を25年度に繰り越した。 平成25年度の研究経費は、データ収集の経費として残りの施設の電子カルテから情報を取り出すためのインターフェイスプログラム及び作業に対する謝金、処理を行うための出張費などがある。データ解析のための経費としては資料整理の協力者への謝金、研究者との打合せと成果の発表のための会議費・交通費および、ソフトウェアの開発費用を予定している。
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