研究課題/領域番号 |
24300100
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
古瀬 蔵 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (50462172)
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研究分担者 |
鈴木 淳 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (40162953)
青田 寿美 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (10309429)
相田 満 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (00249921)
五島 敏芳 京都大学, 総合博物館, 講師 (90332139)
大内 英範 東京大学, 史料編纂所, 特任助教 (60462173)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国文学 / 情報システム / データベース / 情報検索 / 蔵書印 / 日本古典籍 / 知識 |
研究概要 |
平成24年度は、データベースからの知識発見を支援する日本文学情報ナビゲーションの実現を目的として、国文学研究資料館の日本文学および隣接領域のデータベースで利用・提案されている知識体系と情報処理技術の現状についての調査分析を中心に、以下の通り、研究を実施した。 ・国文学研究資料館のデータベースにおける、検索入出力や閲覧のユーザインタフェース、利用状況についての現状分析に取り組んだ。研究会を開催し、古典籍、近代、蔵書印、アーカイブズ、辞典など様々な領域のデータベースについて、現状と今後取り組むべき課題を議論した。 ・国文学研究資料館webサイトから公開中の蔵書印データベースについて、京都大学附属図書館・谷村文庫、大阪大学附属図書館(忍頂寺文庫・小野文庫)の資料調査を実施しながら、印影数が15,000点を超えるなどのコンテンツの増強、および検索性能の向上を図った。 ・利用者に別データベースの関連情報を提示する試みとして、近代分野の二つのデータベース間で、レコードレベルのリンクづけを行う基本的な仕組みを導入した。 ・テキスト量が膨大で表記が複雑な古事類苑について、テキスト検索の網羅性を高める方式を提案・実装した。国文学研究資料館の古事類苑データベースを全文・抜粋検索として更新し、検索対象を従来の4文から26部に大きく拡大させた。 ・米国の日本古典籍の所蔵機関であるボストン美術館で、『伊勢物語頭書抄』以下、師宣の絵本五十三点の書誌調査を実施した。版や摺りを重ねた江戸時代の絵本について、それぞれの状態の比較分析を通じて、版刷の時期、古典籍の書誌情報について、考察を行った。また、古典籍知識の分析を目的として、国内の諸機関においても書誌調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベースに関する課題を明らかにし、国文学研究資料館のいくつかのデータベースについて、知識発見を支援する取り組みを開始することができた。古典籍や蔵書印などに関する国内外での調査、成果発表などの研究活動も活発に実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
蔵書印データベースにおいて人物・書籍・印文などの知識をもとに情報を関連づけ新たな知見を利用者に提示するなど、知識体系のデータベースへの応用を、様々なデータベースでの具体化を目指す。書誌などの調査活動も積極的に実施していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、予定より机上検討が中心となったため、当該助成金が生じた。平成25年度は、研究分担者を追加した研究打合せや実験の費用として使用する予定である。
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