研究課題
社会性やコミュニケーション能力に困難がある自閉症スペクトラム障がいは、脳機能の問題によって生じる障害である。その中でも脳部位結合の問題であることが、これまでのfMRI(機能的磁気共鳴画像法)実験や神経線維イメージング実験で示唆されている。この脳部位結合の違いは発達初期から発現していることが考えられるにも関わらず、これまでに0歳代の言語や社会機能の脳機能結合は定型、非定型を含めほとんど報告されていない。本研究は定型発達児と早産児を含める小規模コホートの縦断的な脳機能測定、行動実験によりヒトのコミュニケーション能力を支える脳内基盤の発達を明らかにしようとするものである。本研究は、まず30週齢から12ヶ月齢までの正期産児、早産児を含む乳児の安静時および言語、社会刺激処理における脳活動、脳部位間の機能的結合性、その発達変化をNIRS(近赤外分光法)計測にて明らかにする。それら脳活動パタン、脳部位結合パタンとその後(1-2歳)の乳児の言語獲得・社会的行動発達との関係を検討することによって脳機能回路発達の定型、社会性障害などの非定型例を類型しコミュニケーション脳の発達を解明する。以上の目的のために約50名の乳児を対象とした3年間の縦断研究を行ってきた。新生児期から1歳まで3ヶ月おきにNIRS実験、行動実験、発達検査を並行して行った。1歳以降は1歳半、2歳時で行動実験、発達検査を行った。脳機能実験は大きくわけて音声言語、社会認知に関係し、行動実験はアイカメラ検査と観察実験を行った。1歳以前の音声処理や社会的刺激における脳機能活動、脳機能結合と1歳以降の言語や社会認知能力を含めるコミュニケーション能力との相関性を検討し、コミュニケーション発達を予期する脳機能特徴を明らかにすることを目指した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 6件) 図書 (4件)
ベビーサイエンス
巻: 13 ページ: 印刷中
NeuroImage
巻: 103 ページ: 476-484
10.1016/j.neuroimage.2014.08.034.
PLoS One
巻: 9 ページ: e115162
10.1371/journal.pone.0115162
巻: 9 ページ: e115292
Developmental Science
巻: 4 ページ: 628-635
10.1111/desc.12160