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2012 年度 実績報告書

オミックス解析とシステム数理科学による漢方薬効の統合理解

研究課題

研究課題/領域番号 24300111
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

井元 清哉  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10345027)

研究分担者 渡辺 賢治  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (70191757)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードシステム数理解析 / 漢方薬効 / 遺伝子発現 / 遺伝子ネットワーク
研究概要

本年度の研究成果を以下にまとめる。
本研究のためのプレリミナリーな実験により、補中益気湯のインフルエンザに対する効果をマウスを用いて解析していた。具体的には、補中益気湯、十全大補湯を経口投与したマウスをインフルエンザウイルスに暴露させ、コントロールマウス(漢方薬投与していない)と比較することで効果を確認していた。この補中益気湯の遺伝子発現に対する影響を調べ、細胞内分子のシステムがどのように影響を与え、システムがどのように変化することでインフルエンザウイルスに対して耐性を獲得しているかを明らかにすることを目的する。そのため、補中益気湯を経口投与した後の遺伝子発現データを時系列で計測した。遺伝子発現データは、経口投与を始めた時点、2週間後にインフルエンザウイルスに感染させた時点、感染から6時間後、感染から24時間後の計4時点で計測し、各時点において4回の繰り返し計測を行った。計測部位は肺である。このデータをシステム解析のためにこれまでに開発したあMetaGeneProfilerを用いて解析し、システム変化についてのプレリミナリーな知見を得ることができ、システム数理的解析の可能性を示すことができた。現在、さらに詳しい解析を行い、得られた結果についての信頼性を高める作業を行っており、論文としてまとめるために準備を進めているところである。また、より高度な情報抽出のための情報解析手法について、MetaGeneProfilerの解析結果を詳細に検討し、いくつかの手法を試しているところである。こちらも、マルチターゲットである漢方薬の解析に最適化した形でまとめて報告する計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

補中益気湯のインフルエンザに対する効果をトランスクリプトームレベルで明らかにするためのデータを順調に計測することができた。また、プレリミナリーな解析を行いシステム数理的解析の可能性を示唆するデータが得られている。

今後の研究の推進方策

補中益気湯のデータを用い、漢方薬効システムを明らかにするためのシステム数理学的手法の開発を平成24年度と同様に進める。また、他の漢方薬についても補中益気湯の解析経験を活かした実験デザインを行い、データを取得する。人参養栄湯を候補として考えているがプレリミナリーな実験を行い慎重に選定したい。

次年度の研究費の使用計画

現在進めている補中益気湯の解析によりプレリミナリーな結果を得たが、より詳細な解析を行い信頼性を高めた上での発表をと考えた結果、成果発表を主に来年度に行うことしたため直接経費の相当額を次年度に使用することとした。本年度の計画に昨年度行う予定であった成果報告を合わせて使用する計画である。

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公開日: 2014-07-16  

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