漢方薬は、その効果についてあまり科学的な裏付けを持たないまま「経験的な効果」を頼りに広く治療に用いられている。本研究課題においては、漢方薬に科学的エビデンスを与えるため、薬効の分子レベルの作用機序を明らかにするための時系列トランスクリプトームデータを補中益気湯、人参養栄湯に関して取得し、それぞれインフルエンザ、および脱随に対する作用について解析を行った。また、薬剤の作用をシミュレーションするため、シミュレーションモデルを時系列データとパスウェイにおける既存知識から自動的に構築するためのデータ同化技術を開発し、漢方薬効の大規模シミュレーションを可能とした。
|