嗅覚一次中枢の嗅球では神経細胞が新しく生まれている。我々はこれまで、マウス嗅球新生神経細胞の生死選別が摂食とその後の休眠行動に伴って促進することを見出してきた。 本研究により、睡眠時の嗅皮質からのトップダウン性シナプス入力が嗅球新生神経細胞の選別を促進すること、新生神経細胞のシナプス構造が摂食・休眠行動中に著しく変化すること、更にマウスの恐怖応答時にも嗅皮質からのトップダウン性シナプス入力によって新生神経細胞の選別が促進することを明らかにした。細胞選別機構の理解が「覚醒・睡眠」から「末梢性・トップダウン性シナプス入力統合」へと、より普遍的な概念に基づくものに発展した。
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