ヒストンH3K9の脱メチル化というエピゲノム制御を担うGasc1遺伝子の変異マウスがヒト精神運動発達障害様の行動異常を呈するというこれまで見出した現象を一部説明し得る形態学的知見として同変異マウス海馬CA1 錐体細胞のスパイン数の増加と、電気生理学的知見として同海馬の長期増強の上昇を見出した。また神経発生時のアストロサイトの分化時期を制御するDNA脱メチル化反応にメチルシトシン水酸化酵素であるTET3が関与することを見出した。 細胞外来性因子で誘導されるサイクリンD1 が神経幹細胞を増殖させる一方でアストロサイト分化シグナル経路を抑制することを発見し、神経幹細胞の自己複製の分子基盤を提示した。
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