研究課題
われわれは平成26年度までの研究期間内にOPTNノックアウトマウスの作製に成功し、最長1年間観察したが、病的な行動異常や病理学的変化を呈さなかった。そのため、研究期間を1年間延長し、このモデルマウスの観察と解析を継続した。その結果、最長2年間観察したOPTNノックアウトマウスでは、病理学的に末梢神経にTDP-43が蓄積していることを世界で初めて確認した。OPTN変異ALS患者でもTDP-43の蓄積が観察されており、モデルマウスでも実証されたことから、このTDP-43蓄積にはOPTN変異が直接関与していることが示された。また、このモデルマウスとOPTN変異ALS患者ではTDP-43の蓄積部位に相違がみられたことから、OPTN変異によるTDP-43の蓄積は軸索遠位部から始まる可能性が示唆された。また、新規OPTN変異FALS患者ではTDP-43に加えてタウ・αシヌクレインも蓄積していたことから、他の2例のOPTN変異FALS患者およびSALS患者においてタウおよびαシヌクレインの蓄積を検討した。その結果、SALS患者でのタウ蓄積は通常の加齢の範囲内で、αシヌクレインの有意な蓄積は観察されなかったが、OPTN変異FALS2例では、3例目より軽度ではあるが、病的なタウの蓄積が認められた。αシヌクレインの蓄積は確認されなかったが、これら2例では3例目より罹病期間が短かったためと考えられ、OPTN変異ALSは多タンパク蓄積病である可能性が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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