研究課題/領域番号 |
24300135
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
野村 靖幸 久留米大学, 医学部, 教授 (00034041)
|
研究分担者 |
祖父江 元 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20148315)
大熊 康修 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (20127939)
北村 佳久 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (60195295)
友部 浩二 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80460286)
金子 雅幸 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (10322827)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ユビキチンリガーゼ / アルツハイマー病 / ERAD / 小胞体ストレス / Dorfin / HRD1 / アミロイドβ / 質量分析 |
研究概要 |
私たちはこれまで、アルツハイマー病発症に関わるAβの前駆体タンパク質APPが、ERADに関与するユビキチンリガーゼHRD1の基質となることを明らかにした。さらに、アルツハイマー病患者の大脳皮質において、HRD1のタンパク質が不溶化により減少し、HRD1が酸化ストレスである過酸化水素、ロテノン、4-ヒドロキシノネナール(4-HNE)により不溶化することを証明している。今回私たちは、HRD1の修飾部位を質量分析によって同定した。その結果、HRD1の酵素活性に重要なRING-finger領域のシステイン残基が酸化修飾を受けることが判明した。また、このシステイン残基を保護する目的で、N-エチルマレイミド(NEM)で前処理したところ、4-HNEによる分子量増加がNEMによって抑制された。このことからHRD1は、酵素活性部位にあるシステイン残基が酸化修飾を受けることで不溶化・減少する可能性が示唆された。以上の結果をまとめ、PLOS One誌に発表した。 私たちはこれまで、ERADに関与する新規のユビキチンリガーゼの中から、RNF19BおよびRNF19Bと相同性が高いDorfin(RNF19A)が、Aβの産生機構に関与することを見出し、γ-セクレターゼによるAPPの切断に関与することを明らかにしている。そこで今回、その機構を明らかにするため、Dorfinに結合するタンパク質を質量分析により同定した。その結果、14-3-3εがDorfinと結合することが判明した。14-3-3は、APPの輸送に関与することが報告されており、今後は、その機構に対するDorfinの関与を明らかにする予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
HRD1に関する酸化修飾の研究は、一定の成果を挙げ、PloS One誌に成果を公表できた。 Dorfinの結合タンパク質について期待された結果が出ており、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
Dorfinによる14-3-3を介したAPPの輸送調節機構についてさらに詳細を検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の物品費には、研究の進捗上、購入しなかった試薬、器具等があった。当該研究を次年度に実施の際、物品費のほか、旅費、人件費等に充当する。 次年度は、物品費のほか、旅費、人件費等にも充当し、研究を各段に進展する。
|