研究課題
ユビキチンリガーゼRNF19BとDorfin(RNF19A)は、アミロイドβ(Aβ)の産生機構に関与することから、その前駆体のAPPのプロセシングが行われるエンドソームに局在する可能性がこれまでの結果から示唆されていた。今回私たちは、RNF19Bを安定的に発現する細胞を樹立し、RNF19Bの局在と機能について解析を行った。RNF19Bを発現する細胞では、RNF19Bは小胞体に加え、後期エンドソームに多く局在することが判明した。この結果は、RNF19Bが初期エンドソームからライソゾームへのCTFβ(APPのβセクレターゼによる切断物)の輸送へ関わる結果と一致するものであった。RNF19Bは小胞体にも局在することから、小胞体ストレスとの関連性についても検討した。その結果、RNF19Bは小胞体ストレスによって誘導され、小胞体ストレスに対する遺伝子誘導に働く転写因子ATF6によって誘導されることが判明した。さらに、小胞体ストレスによって誘導されるRNF19Bが小胞体ストレスを抑止するか否か検討したところ、小胞体ストレス抑制する作用は認められなかった。RNF19Bは小胞体においてAPPの分解に関与するが、小胞体ストレスを抑制する作用はないことから、比較的基質特異性が高いと考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters
巻: 25 ページ: 811-814
Endoplasmic Reticulum Stress in Diseases
巻: 2 ページ: 107-116
10.1515/ersc-2015-0008