神経幹細胞の性質変化を司るエピジェネティクス解明を目的として、Gcm1/2およびRnf20遺伝子の機能を解析した。Gcm1/2発現によって神経前駆細胞がGFAP強陽性になること、それにはGFAP遺伝子のプロモーターDNAのメチル化率の減少が重要であることが分かった。一方、ヒストンH2BのE3ユビキチンリガーゼであるRnf20のノックダウンによって、神経幹細胞の未分化性が亢進するとともに細胞周期が延長し、分化のタイミングが遅れることが判明した。ChIP-seq法による網羅的エピゲノム解析により、Rnf20が発現修飾して神経幹細胞の未分化性維持や細胞周期の制御に関わる遺伝子群を明らかにした。
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