研究課題
前年度までに小脳抑制性神経細胞の発生を司る分子機構については、ある程度明らかにできたが、興奮性神経細胞については未解明の部分が多い。そこで、本年度は興奮性神経細胞のうちの大部分を占める顆粒細胞の発生について調べた。我々は、転写因子Meis1がすべての顆粒細胞前駆細胞(GCPs)および顆粒細胞(GCs)で、すなわり顆粒細胞発生にすべてのステージで発現することを見いだした。そしてノックアウトマウスの解析から、この転写因子が、GCPsの増殖と分化の両方に、さらにGCsの内側への細胞移動とT字型の軸索形成に関与することを見いだした。小脳顆粒細胞の発生においては転写因子Pax6が重要な働きをすると示唆されてきているが、Meis1はPax6ゲノムに直接結合し、その転写を活性化させることがわかった。in vitroおよびin vivoの解析によって、Meis1の顆粒細胞発生における多様な機能は、Pax6の転写活性化を介して行われるものと、そうでないものの二種類があることもわかった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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