研究課題
基盤研究(B)
1.当該課題に従事する研究者を採用。2.行動実験を行い、心理物理実験で被験者に提示するバイアスの選択肢を選別した。"choicemodel(選択モデル)"を実験データに当てはめた結果、被験者はエラーを出した後には、選択肢を変更する傾向があった。しかしこれは、"irrational"(不合理的)な選択であり、課題に対する正解率は低くなった。我々は、この意思決定過程のおける修正・変更という行為は、間違いを起こした後の修正・変更は通常正しいという、ヒトが過去の経験から得たある種のprior(事前知識)であると考える。その後、fMRIのパイロット実験を行い、選択肢を分析した。3.行動実験とfMRI実験から得られた速度に関する事前知識のデータを解析。これらの実験では、視覚刺激のコントラストを落とし、刺激が提示される速度/頻度を変えてみた。その結果、ヒトは実際の速度/刺激頻度を反映する選択肢から、事前知識から予測されるより可能性の高い選択肢へと知覚をシフトする、という人間の行動では周知の結果が得られた。その後のデコーディング及びボクセルポピュレーション分析では、これらの事前知識(priors)に対する反応は、感覚刺激に対する神経反応が表れる大脳皮質の同じエリアである初期視覚野で表れることがわかった。4.上記の結果を論文マニュスクリプトとして取りまとめた。5.事前知識に関する発表論文を日本神経科学大会とCosyne(Computational and Systems Neuroscience)へ投稿した。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の予定通りに行動実験、fMRI実験を行い、データ解析へと進むことが出来た。
当初計画通りに、.H24年度に引き続き行動実験とfMRI測定のデータを集積・分析するとともに、後半からは速度弁別課題(speed discrimination task)の行動実験のテストを開始する。
前期の実験及び解析が順調に進んだため、下半期では専任の研究員を一旦プロジェクトから退いてもらった。その為次年度への当該(繰越)助成金が生じた。次年度は、当該助成金と合わせた予算の大半は前期の実験計画等に必要である専任研究員の人件費に充当するとともに、解析ソフト及びコンピュータの購入にも充当する予定である。
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http://gru.brain.riken.jp