研究課題/領域番号 |
24300148
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
高橋 晋 同志社大学, 高等研究教育機構, 准教授 (20510960)
|
研究分担者 |
藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 脳波 / マルチニューロン活動 |
研究概要 |
本研究では、現在の脳神経科学と情報工学を協調させることにより、覚醒し行動している動物の脳全体に跨る神経回路網の動態を、単一ニューロンレベルの微視的スケールから脳全体を俯瞰する巨視的スケールまで統合的に計測し解析する全脳記録法を確立することを目的としている。 すでにこれまでの研究で、1ミリメートル間隔で総計42チャネルの計測点を配置する皮質脳波用アレイ電極と、総計12本のマルチ電極をそれぞれ独立に可動できる小型マイクロドライブを開発し、特許も出願済みである。皮質脳波用アレイ電極は、CAD(Computer Aided Design)ソフトを用いて独自に設計しフレキシブル基板上に計測点を並べたものであり、小型マイクロドライブは、やはり独自に設計し3次元造形技術を活用して製作した。 本年度は、脳波とニューロン活動を同時記録し、リアルタイムに解析するシステムをリアルタイム・オペレーティング・システム上に実装した。具体的には、120チャネルのマルチニューロン活動からニューロン活動をリアルタイムに分離し、かつ局所脳波を記録しながら、それら全ての信号をハードディスク上に保存する一連の処理を、6ミリ秒以内に確定的に実施することができる。その確定性に関しては、最も負荷の高いハードディスク書き込みの遅延時間を計測することで検証した。来年度は、これまでに開発してきた要素技術を結集した全脳記録法を確立し、皮質-基底核ループや海馬体に適用することでその実用性を評価する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全脳記録法を完成させるためのデバイスや信号処理システムなどの要素技術の開発は概ね完了しているため、おおむね順調に進展していると評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度では、全脳記録法を完成させるために本年度までに開発してきたデバイスや信号処理システムなどの要素技術を結集し、動物実験によりその有効性を検証する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
計画通りに装置を開発することができたが、性能テストには至らなかったため当該助成金が生じた。 翌年度の研究費と合わせて、最終目標である全脳記録法を確立し、そのの性能テストを実施する予定である。
|