本研究は、長いスパンを持つ毛周期において未知の皮膚時計機構があることを予想させるC57BL/6J由来新規毛色変異体マウスの遺伝的基盤を明らかにし、多面発現の記載をも行うことを目的とした。 数系統との交配によるマイクロサテライトマーカーを用いた連鎖解析により、候補領域を約1.7 Mbまで絞ることができた。C57BL/6Nとの交配による、SNPサイトを利用したマッピングの試みは途中である。長い毛周期を研究対象とする困難さを痛感することとなった。一方、皮膚の肥厚や皮膚付属物における多面発現等、興味深い観察結果を蓄積することができた。ヒト疾患に同一とみなされる表現型の記載にはまだ気づいていない。
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