研究課題
H24年度に得られた成果である【時間空間依存的に厳密な制御のもと、細胞核内に異なったシグナルが順次伝えられる事で、中胚葉からの血管、あるいは血液系への運命決定、また血液細胞としての多能性が維持されていく】仮説をさらに確認する為に、新たに改良した培養系を用いて、異なったクローンのヒトES細胞、iPS細胞からの造血多能性細胞集団(CD34+CD43+)の出現頻度と出現時期を検証した。その結果、造血多能性細胞が生み出されるための新規のシグナル系譜の活性化及び遮断経路を見いだした(論文投稿準備中)。方法の一つとしてSingle cell RNA-seqによる遺伝子発現解析法を組み合わせ、さらに機械学習の手法による新規アルゴリズムを用いた高次元データ解析を取り入れて、細胞内部のエピゲノム変化をシュミレーションした。次年度は得られた解析結果をベースに、(i)多能性幹細胞から造血前駆細胞への変換に最適な3D培養系の開発、(ii)造血幹/前細胞から直接産生されている血小板前駆細胞である巨核球細胞集団の中で実際に血小板産生に寄与しているマイナー集団を簡便に同定する方法の開発、に焦点を絞り研究を推進する。
2: おおむね順調に進展している
従来の造血幹細胞を規定する細胞表面マーカーだけでは、細胞集団を規定できない事、さらに、細胞内部のエピゲノム変化に着目した細胞評価系の構築が必要であることを見いだした点で新規性および独創的な研究の進展が得られた。
生体内部の細胞環境を反映させた細胞内部のエピゲノム変化をモニターできるアッセイ系の構築が急がれる。こうしたアッセイ系は多能性幹細胞から目的のあった分化細胞集団を誘導作製するために重要である。さらに上記に示した(i)多能性幹細胞から造血前駆細胞への変換に最適な3D培養系の開発、(ii)造血幹/前細胞から直接産生されている血小板前駆細胞である巨核球細胞集団の中で実際に血小板産生に寄与しているマイナー集団を簡便に同定する方法の開発を行う。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 5件) 備考 (2件)
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