研究課題
本申請は、エピゲノム状態が細胞外環境の変化によって劇的に変化することを明らかにする事を応用し、生体外においてエピゲノム状態を制御できる培養技術を確立することを目的としている。H25年度までに細胞内部のエピゲノム変化を捕捉するための方法の開発に目処がたっていたが、最終年度は、特定の細胞分化に的を絞って実際の3D培養の開発を行った。まず、staticな培養系およびshakerを用いた独自の3D 培養系を構築したのち、その両者を比較した。その結果、shear stressを含む物理的な刺激作用が、造血系細胞の1)前駆細胞集団としての細胞増殖、2)特定細胞系譜への分化(例、巨核球)、3)最終成熟(例、血小板産生)に寄与することを実証した。また、非常に面白いことにそれぞれの細胞運命決定のための培養環境条件(未分化性維持、初期造血、その後の細胞系譜決定、作業に適したずり速度条件)が大きく異なっていること、培養液組成、密度によって微調整が必要など、今後の臨床応用展開、巨大培養系への応用においての課題を整理することに繋がった。細胞の不均一性(heterogeneity)は、生体内の組織同様に培養細胞においても大きな課題であり、Single cell RNA-seqによる1個細胞レベルでの遺伝子発現解析法を組み合わせることがその課題克服に有用であることを示唆した。この手法は、単一細胞レベルでのRNA発現レベルだけでなくエピゲノム解析が可能であることも示し、エピゲノムモニターが可能な実例として多能性幹細胞から目的のあった分化細胞集団を誘導作製するための条件を最終的に決定することに成功した(Cell Stem Cell, 2014、および論文準備中)。一方、さらに重要な知見として、細胞は単一で行動する血球細胞であってもお互いに“コミュニケート”していることが強く示唆され、今後の研究課題として大きな命題を生み出すことに貢献した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 3件) 備考 (2件) 産業財産権 (2件)
Biomedical Research.
巻: 36 ( 1 ) ページ: 31-45
10.2220/biomedres.36.31
Bio Clinica
巻: 30 (5) ページ: 37-41
医学のあゆみ
巻: 252 (13) ページ: 1302-1307
血液内科
巻: 70(2) ページ: 149-153
遺伝子医学MOOK27
巻: 1 ページ: 136-140
Diabetes.
巻: 63(12) ページ: 4154-64
10.2337/db13-1694
World J Stem Cells.
巻: 6(4) ページ: 404-420
10.4252/wjsc.v6.i4.404
Exp Hematol.
巻: 42(9) ページ: 816-25
10.1016/j.exphem.2014.03.010
Stem Cells Transl Med.
巻: 3(7) ページ: 792-800
10.5966/sctm.2013-0216
Mol Genet Metab
巻: 112(1) ページ: 44-48
10.1016/j.ymgme.2014.02.012
Int J Hematol
巻: 99(4) ページ: 393-406
10.1007/s12185-014-1534-x
International Review of thrombosis
巻: 9 (4) ページ: 62-64
巻: 251 (2) ページ: 143-148
図説分子病態学
巻: 5 ページ: 18-23
Vascular Medicine
巻: 10 (1) ページ: 82-84
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/index.html
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/eto/