研究課題
本研究最終年度である平成26年度は,カチオンポリマー鎖のエチレンジアミン繰り返し数を変化させた改変型ポリマーを用いたmRNA in vivo投与への応用を本格化させ,多くの系で評価を行った.その結果,投与系によって最も高いタンパク発現の得られるポリマー構造は異なり,例えば血中投与と局所投与では求められるキャリアの安定性・mRNA徐放性が異なるためと考えられた.今後の疾患治療を目的とした投与条件の設定に有益な情報が得られた.またmRNA 3'末端のpoly(A)鎖をコントロールしたmRNA精製法を確立し,poly(A)鎖長240のmRNAが,in vitro, in vivoともかなり特異的に高いタンパク翻訳効率を示すことを明らかとした.今後のmRNAのバイオ医薬品としての展開に重要な知見として特許出願を行い,現在論文準備中である.疾患モデル動物へのPOC取得に向けた検討として,マウス嗅覚障害モデルに対して,神経栄養因子を発現するmRNAの経鼻投与による障害早期回復,嗅上皮再生促進を確認し,論文化した.また複数の新聞,雑誌にても取り上げられた.その他pDNAを用いた検討で,脊髄損傷,末梢神経損傷の各モデルマウスに対して,神経栄養因子などを発現するpDNA内包キャリア投与による治療効果を確認し,それぞれ論文化した.これらについては,現在mRNAを用いた検討を開始しており,平成27年度より新規採択された科学研究費にてさらに展開を進める予定である.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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