HIFU(high-intensity focused ultrasound)を用いた加熱凝固治療法は非侵襲にがんを治療法として注目されているが,問題点の1つに治療時間が長いという点がある.そこで,広範囲で発生させたキャビテーション気泡群を利用する効率的な超音波加熱手法の開発を本研究の目的とした.HIFU伝播方向垂直面内でHIFU焦点を電子的に走査することで,広範囲でのキャビテーション気泡生成および利用を実現した.この手法を生態模擬ゲルに適用して温度測定を行い,気泡の利用によって発熱効率が2倍~3倍に達することを示した.また,鶏肉にHIFU照射を行い,効率的な加熱凝固が行えることを示した.
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