研究課題/領域番号 |
24300179
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千田 浩一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (20323123)
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研究分担者 |
盛武 敬 産業医科大学, 付置研究所, 准教授 (50450432)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 放射線 |
研究実績の概要 |
多くの画像診断モダリティによる放射線検査を繰返して受けている場合が多い。しかし、各々の放射線モダリティの被曝データを統合して一括管理できるシステムはない。そこで当研究では、患者個々の各々のモダリティからの放射線被曝情報を統括して管理できる、医療放射線被曝管理システムの構築を目指す。その為に、平成26年度は下記の検討などを行った。 ・基礎研究の継続:被曝線量を評価するために使用する「蛍光ガラス線量計システム」などを含めて、引き続き継続して基礎的研究を行った。線量計システムの線量校正、エネルギ依存や線量依存性等々の物理データの測定を行った。さらに人体ファントムを用いて、被曝線量を正確に測定できるか評価した。ラジレックの基礎研究も継続して行った。 ・DICOM関連研究の継続:昨年までの検討によって、DICOMのヘッダ情報には必ずしも線量情報を含まれていないこともあるなどの、標準化における問題点があることが分かった。その改善策として、RISによる皮膚面入射線量の管理を行うことができる仕組みを構築し、本年は、このRISと線量計とMPPSインターフェイスを用いたシステムを更に発展させ、面積線量を皮膚線量に自動的に変換し管理できるようなアルゴリズムを開発した。そして臨床応用を行い、有用性等を評価した。さらにラジレックを用いた臨床研究および被曝データのDICOMフォーマット変換なども検討した。 以上から得られた結果をとりまとめて、学会等で発表するとともに、初期成果について論文投稿を行うことができた。[研究協力者:田野政勝]
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DICOMの線量情報管理に関する標準化が、予想よりも進んでいない環境であるため、「(3)やや遅れていると」判断した。しかしながら、その環境の中で、RIS(Radiology Information System)と線量計とMPPSインターフェイスを用いたシステムを発展させ、皮膚面入射線量の管理を行うことができる仕組みを構築し、運用することができた。
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今後の研究の推進方策 |
・基礎研究の継続: 被曝線量を評価するために使用する各種線量計にについて、引き続き継続して基礎的研究を詳細に行う。さらにファントム実験に加えて、臨床測定などを行い、被曝線量を正確に測定できるか評価する。 ・DICOM関連実験とアルゴリズム開発: RISと線量計とMPPSインターフェイスを用いたシステムを更に発展させ、一面積線量が無いシステムにおいても、皮膚線量に自動的に変換し管理できるような仕組みを開発する。さらに、DICOM Radiation Dose Structure Report(RDSR)を、汎用的なファイルに変換するソフトを開発し、各施設でRDSRを用いた線量管理を行うことを目指す。またラジレックの臨床研究とDICOM変換などについても研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画変更により、情報収集等の一部を翌年に行うことになったため。
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次年度使用額の使用計画 |
情報収集等の旅費に活用する予定である。
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