研究概要 |
脳神経外科手術においては、MRIやCTなどの解剖学的画像とPET, fMRIなどの機能画像を基に、術前計画を作成している。脳機能情報を解剖学的情報に重畳して、安全なシミュレーション技術を開発するために、平成24年度は、脳神経外科手術をシミュレーションする際に重要となる脳腫瘍,血管,脳神経などの重要構造物をMRIやCTなどの画像から抽出する技術を検討した.まず、CT、MRI、PETなど様々な種類の画像を統合的に扱うため,画像間の位置合わせの技術を利用して複数の画像の位置合わせを行った。その後、位置合わせされた複数の画像の情報を用いて重要構造物を半自動的に抽出する手法の開発に取り組んだ. 3Dバーチャル画像を用いて脳神経外科手術のシミュレーション・トレーニングを行う際に,実際の手術器具を用いて操作できる技術の検討を行った.磁気式の位置センサを実際の手術器具に取り付け,実空間での手術器具の位置姿勢を取得した.バーチャル空間内でのバーチャル手術器具の位置姿勢をセンサより取得した実空間での手術器具の位置姿勢と対応付けた。これにより,バーチャル手術器具をバーチャル空間内に表示する手法を開発した。 脳神経外科手術では,手術の進行に伴い、髄液が漏出すると脳組織などが変形する。より実際の手術に近いシミュレーションを実現するために、変形の対象領域を節点とバネでモデル化した後,外力を加えることでモデルを変形し、変形前後のモデルの対応関係を用いて画像を変形する技術を開発した。これにより変形された3Dバーチャル画像を生成することが可能となった。変形に要する時間を極力短縮し、3D画像を、真にリアルタイムに変形することで、4Dバーチャル画像を実現した。
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