研究課題/領域番号 |
24300186
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研究機関 | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
中井 敏晴 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 神経情報画像開発研究室長 (30344170)
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研究分担者 |
國見 充展 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 研究員(Researcher) (70460384)
田中 あゆ子 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 研究員(Researcher) (50463203)
岩木 直 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー部門, 研究グループ長 (70356525)
中根 俊樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60569789)
木山 幸子 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 研究員(Researcher) (10612509)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 画像診断システム / 認知症 / 加齢・老化 / 瞳孔反応 / 脳機能イメージング / 神経ネットワーク解析 |
研究概要 |
認知機能障害が顕在化するには至らないが、その前段階として想定される認知機能の潜在的低下を検出し、軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment)に転換しやすいリスクの推定が可能な段階での診断支援技術となる脳機能可視化の手法を開発するために、加齢による脳活動領域の拡大を評価するAging Indexの最適化と、認知負荷ストレスの客観的定量化を行なう生理データの同時計測法を開発する。 平成25年度は評価用脳機能画像データの収集を完了し、認知負荷の程度(定量的に3段階×定性的に2段階)と活動領域の特徴、クラスタサイズ、作業パフォーマンスとの関係を評価した。その結果、図を使った記憶作業課題や作業方略の転換を行わせる課題において高齢群を若年群と比較して良好なコントラストが得られることが確認されたので、標準測定プロトコル課題として選定した。現在、作業負荷量の調節方法を改良し、評価指標となる関心領域をより特異的に検出するように課題を改良し、データを検討中である。また、共分散構造解析による神経回路のネットワーク解析を行い、加齢による変化はMR信号の大脳半球間の位相同期性(Functional Connectivity)により鋭敏に反映されることが示唆されたので、今後はFCを使った加齢指標の可能性も指摘された。自律神経を介した認知負荷(ストレス)を反映する生理指標としての瞳孔反応の同時計測は、映像解析の精度を向上させるために可視光の影響を取り除くための装置改良を進めており、性能評価中である。以上の結果は、Neuroinformatics 2013やHuman Brain Mapping 2013等の国際会議で報告された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
評価指標として用いる高齢者向けの課題評価は本年度でほぼ完了したが、FCを応用した評価方法の可能性を見いだしたので、今後の検討課題とする。カメラを使った眼球の画像計測は、赤外光源を用いて準暗室状態で記録を行っても可視光の影響が皆無ではないので、解析精度を向上させるためのカメラ装置の改良中であり、その完成を待って最終的なシステム性能評価を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
脳機能計測中の眼球モニタリングは瞳孔計測だけでなく、眼球運動による脳活動の除外や被験者の覚醒や開眼状態の確認など、脳機能計測データの品質を高め、脳機能に関する情報量増加だけでなく計測の品質向上に有用である。しかし、多くの作業課題は視覚提示を用いるため可視光の使用は避けられないので、ハードウェアの改良に必要な仕様の確認を進めてゆく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
自律神経反射を利用した生理情報同時計測システムを改良してシステム全体の再評価を行う必要が生じたことに加え新しい評価指標の可能性が見いだされたので、最終評価に必要なデータ収集は全て平成26年度に行うことになり、そのための経費が次年度使用分になった。 システム最終評価のためのデータ収集を以下の使用計画により平成26年度に集約する。 被験者謝金 350,000円、衛生用品(耳栓、除染用品等) 30,000円、研究補助員等雇用 360,000円、脳機能マップ出力用インク 150,000円、データ保存用メディア等 30,507円
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