研究課題
麻酔下の観血的方法によりラットの冠状動脈を結紮し、ラット心筋梗塞モデルを作成した。手術後一ヶ月の回復、リモデリング期間を与え、麻酔下に心エコー検査を行った。心機能が十分に低下している、すなわち心不全となっているラットを運動群と非運動群、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬であるカンデサルタン内服群に分け、トレッドミルによる運動療法あるいは薬剤内服を8週間行った。運動群での運動条件はトレッドミルによる呼気ガス分析試験の結果に基づき、傾斜0度、速度は20~25m/分で、一回あたり60分間、一日一回、週5日間として行った。最終の運動療法終了後、内服後48時間異常経過して、運動、内服の急性効果が低下してから心エコー検査を行い、その後麻酔下にラットをと殺、採血し、その心を摘出した。ラット心は-80℃にて凍結保存後、タンパク抽出、RNA抽出を行った。肺重量/体重比は運動群で低下、心重量/体重比はカンデサルタン群にて低下した。心エコー検査では、カンデサルタン群のLVEFに改善傾向が見られたが、運動群では見られなかった。心筋梗塞後の心不全ラットでは、運動により肺うっ血が軽減しており、心不全の重症度は低下している可能性が示唆された。心タンパクでは3型コラーゲンやペリオスチンの変化が見られているが、十分な検討が出来ていないためもう少し追加の実験を要する。
26年度が最終年度であるため、記入しない。