研究実績の概要 |
前年度に引き続き、低強度電気刺激によるトレーニングのラット骨格筋各種蛋白質発現に及ぼす血流制限(加圧)の影響について解析した。[方法] ラットをコントロール群、電気刺激のみ群、加圧下電気刺激群、加圧のみの4群に分けて検討した。低強度電気刺激によるトレーニング (前脛骨筋にアイソメトリック収縮)を、週3回3週間実施し、トレーニング後に前脛骨筋を摘出して蛋白発現をWestern blotting法により検討した。血流制限は大腿部のカフ装着によって血流制限を加えた。[結果] コントロール群および加圧のみ群、電気刺激のみ群に比し、加圧下電気刺激では、GLUT4、PGC1αの有意な発現の亢進を認めた。コントロール群に比し、電気刺激のみ群、加圧下電気刺激群では、FNDC5、COX4, MCT1の有意な発現の亢進を認めた。MCT1の発現は、加圧群でより顕著であった。GLUT4, MCT1, FNDC5, COX4の発現とPGC1αの発現は有意な相関が見られた。[結語] 血流制限下(加圧下)での慢性低強度電気刺激によるトレーニングでは、GLUT4, PGC1α, COX4, MCT1などの発現が有意に亢進し、ミトコンドリア機能、糖代謝改善につながる可能性があり、今後、高強度のトレーニングが実施できない高齢者、廃用症候群などへの新たなるトレーニング法となる可能性があると考えられた。
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