脳卒中上肢麻痺に対しての反復性経頭蓋磁気刺激と集中リハビリテーションの併用の有効性を1725人の大規模臨床報告として報告をし、改めての効果を証明した。 また、その作用を、神経可塑性に関連する神経栄養因子BDNF (brain-derived neurotrophic factor)で証明した。は、神経可塑性に関連する神経栄養因子である。rTMSを施行すると神経可塑性が促進される可能性が示唆された。また、rTMS施行群において、Val66Metの遺伝子多型はFMAの改善度に影響しなかった。rTMSと集中的OTを併用したNEURO施行により、BDNFの遺伝子多型の有無によらず麻痺側上肢機能改善が得られることが示唆された 上記のような脳卒中後遺症である上肢麻痺は、FMAが46点よりよい場合、反復性経頭蓋磁気刺激と集中リハビリテーションの併用の効果が高いことが証明されたが、ボツリヌス毒素療法単独による効果は証明できなかった。また、19点以下の場合は、反復性経頭蓋磁気刺激と集中リハビリテーションの併用の有効性は、あまりなく、ボツリヌス毒素療法と集中リハビリテーションの併用の有効性が認められた(結果、投稿中)。 よって、脳卒中後遺症である上肢麻痺を改善させるためには、上肢麻痺の評価をきっちり行い、回復時期によって、集中的リハビリテーション、反復性経頭蓋磁気刺激、ボツリヌス毒素療法の組み合わせを考慮しなければならない。
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