研究課題/領域番号 |
24300200
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西川 勝 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 特任教授 (10420423)
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研究分担者 |
藤波 努 北陸先端科学技術大学院大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70303344)
西尾 修一 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 研究員 (80418532)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 認知症 / ダンス / モーションキャプチャー / 動作分析 / トポロジー / 遠隔コミュニケーション / 長期実験 / 操作訓練 |
研究概要 |
(西川)特別養護老人ホームにおけるダンスワークショップを月に1回の頻度で継続して開催し、身体コミュニケーションの諸相についての調査研究が進みつつある。今年度は研究協力者であるダンサー砂連尾理氏と特別養護老人ホームの入居者とのダンス公演「愛のレッスン」を3月30日に舞鶴市で実現した。砂連尾氏の考案したダンスワークショップに関する臨床哲学的分析と解釈を深めていく重要な契機となった。 (藤波)高齢者を介護している施設(特養)にモーションキャプチャ装置を何度か持ち込み、ダンスワークショップ参加者にご協力いただいていろいろな動きをデータ化した。また得られたデータを解析する方法を検討した。データ収集を通してできるだけ実験協力者らに負担をかけないでデータを収集する方法を確立した。データ解析についてはトポロジーの考え方を応用し、動作を一般化する方法を確立した。 (西尾)前年度に引き続き遠隔操作アンドロイドと認知症高齢者のコミュニケーション実験とデータ収集を行った。この際、長期的なデータ収集のため、介護士のみでもロボットの操作、記録が可能となるような改良を加えるとともに、操作者が効果的にテレノイドを操作してコミュニケーションを行えるような、操作訓練の開発を行った。これに基づき、年度後半に4ヶ月弱の長期実験を行い、データ収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(西川)やや、遅れている。理由:発達心理学者との共同研究が進んでいない。 (藤波)これまでのところ研究は順調に進んでいる。介護施設の協力により介護者と入居者からデータを収集できた。いろいろな状況でデータが収集でき、データ解析の方針が確立できた。 (西尾)遅れている 理由:詳細、長期的なデータ収集を行うにあたり、機器の操作性の向上と、遠隔操作者の訓練の訓練が必要であることがわかってきた。そのため、データ主収集に先立ち、機器改良と操作訓練手法の開発をまず行ったため、データ収集の予定が若干遅れており、解析が本エンドでは終了していない。一方、実験での観察を通じ、テレノイドを介した認知症高齢者のコミュニケーション特性に関する理論化を予定に先立ち進めている。
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今後の研究の推進方策 |
(西川)発達心理学および文化人類学的見地からの身体コミュニケーションの研究をさらに進める。砂連尾氏のダンスワークショップの身体コミュニケーションに関する分析解釈を、ある程度マニュアル的に一般化する方向を探る。書籍の発行を企画している。 (藤波)モーションキャプチャによるデータ収集のほか、圧力センサーなど簡易なセンサーを導入し、手軽に多量のデータを収集する方法を確立する。これまでの経験に基づいて仮説をいくつか立て、それらを検証していく。 (西尾)最終年度は引き続きデータ解析を進めるとともに、その結果から認知症高齢者のコミュニケーション特性と身体が果たす役割に関する理論化をさらに進める。それとともに、得られた成果の公表活動をすすめる。
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