研究分担者 |
堀川 悦夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (10155004)
藤田 君支 佐賀大学, 医学部, 教授 (80315209)
萩原 世也 佐賀大学, 工学系研究科, 教授 (80198647)
木口 量夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90269548)
東藤 貢 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (80274538)
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研究概要 |
[1]シミュレータの開発 本研究で開発する関節シミュレータの特徴は,1)深屈曲動作を評価対象に含めていること,2)生理的な関節運動を再現するため,自身の筋力で操作する駆動方式を用いていること,3)股関節と膝関節が連動する機構を採用していること,の3点である.本シミュレータでは,上記の3大特徴を具現化すべく,その具体的構造として,プーリー配置とワイヤー掛けを工夫し,股関節と膝関節に働く一関節筋と二関節筋で両関節を連動的に駆動する方式を採用している.また,膝屈曲角130°でハムストリングス用のワイヤー長が最短となり,上体重量で膝が完全深屈曲するように駆動機構や制御方式を工夫している.当該年度は,部品設計までを終了し,直ちに製作発注したが,備品調達(モーター)とその駆動方式に変更が生じたため,当初予定していたモータ駆動方式を手動方式に代え,シミュレータ本体(フレーム)の製作と基本動作確認に専念した, [2]深屈曲用人工膝関節(深屈曲型)のリスク分析 深屈曲型のキネマテックスをコンピュータシミュレーションで検討しつつ,CADモデルでポスト・カム部の最適曲率を最終的に決定した.切断肢実験では,血管,神経,靭帯等を傷付けずに深屈曲型インプラント挿入が可能か,インプラント挿入によって靭帯等への過張力を生じたり,逆に,靭帯張力によって,インプラントの自由な運動が拘束されないか,などを確認した. [3]現用人工膝関節患者の和式生活でのQOL調査・評価 現有の三次元動作計測装置を和式生活計測用に専用化すべく,計測視野内に浴室,トイレ,居間などの和式生活用ブースを設置し,それぞれ固有の動作を再現中の人工膝関節患者のキネマテックスデータや力学データを収集した.また,各種坐位動作(正座,蹲踞,長坐位靴下履き等)での下肢関節のキネマテックスデータも収集・解析した.
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していたモータ駆動方式を手動方式に代え,動作確認を行った以外は,概ね予定通りに計画を進めてきており,今後は,これまでの遅れを挽回し,本来のモーター駆動方式を採用すべく開発作業のペースアップを図る.
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