研究課題/領域番号 |
24300205
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
古荘 純次 福井工業大学, 工学部, 教授 (70107134)
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研究分担者 |
山西 輝也 福井工業大学, 工学部, 教授 (50298387)
西尾 浩一 福井工業大学, 工学部, 准教授 (30550561)
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
和田 太 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10341512)
小林 康孝 福井医療短期大学, 医歯学系, 副学長 (80424448)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知能機械 / ロボティクス / リハビリテーシ / 医療福祉工学 / バーチャルリアリティ |
研究概要 |
脳の可塑性発現は、その体部位の使用頻度に依存するという多くの報告があり、麻痺の回復には麻痺した上肢の自発的な運動量を増やすことが必要である。バーチャルリアリティ技術を応用した上肢リハビリテーション支援システムは、手軽に長時間の訓練が可能である。平成24年度は、研究開発を下記のように行った。 (1)平面ディスプレイ(訓練テーブルに含まれるディスプレイ)及び垂直ディスプレイよりなる新規な上肢リハビリ支援システムのハードウエアの開発を行った。平面ディプレイを保護するため、強化ガラスと樹脂フィルムよりなる合わせ板ガラスを導入した。 (2)訓練テーブルの傾斜角及び高さを調節できるようにし、ADL(日常生活動作)の向上が図れるようにした。 (3)上肢リハビリ支援システムに適したナノ粒子MR流体ブレーキの研究開発を行った。 (4)実時間制御のために制御用PCにRT-LINUXの導入を行い、平成25年度のリハビリソフトウエア開発の準備を行った。 (5)データの入出力は、ワンチップマイコンで行い、制御用PCとは、USBでデータ交換が行えるようにした。 (6)振動による促通を行う機構に関する基礎的検討を、筋電等を用いて行った。 (7)筋電をトリガーとした電気刺激やパワーアシストの電気刺激が行われており、そのニューロリハ的効果が期待されている。産業医科大学では、電気刺激装置の購入を行い、平成25年度からの研究に備えた。また、福井医療短期大学では、電気刺激装置PASの拡張パーツを購入し、平成25年度からの研究に備えた。 (8)経頭蓋反復刺激(rTMS)では、障害大脳半球や健側大脳半球の興奮水準を調整し、上肢機能改善の報告がされている。本研究では、これらのリハビリ手法と上肢リハビリ支援システムを融合させることによる、高い訓練効果の発現の確認を目的として、臨床評価を行う。平成24年度には、その準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リハビリ支援システムの機構及び電気電子回路に若干の追加および改善を要する。経頭蓋反復刺激に関する準備については、予定より進んでいる。その他については、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究開発中の上肢リハビリ支援システムを、臨床評価に耐えるように完成度を上げていく。産業医科大学付属病院、福井総合病院(福井医療短期大学と併設)の倫理委員会にかけ臨床評価を行う。臨床評価の結果に基づき、ソフトウエア及びハードウエアの改善を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に開発を予定していたリハビリ支援システムの機構及び電気電子回路部の設計に改善を要する点があることが判明した。そこで、慎重を期し、改善を要しないシステムの部分のみを、平成24年度には開発することにした。残りの部分の再設計には時間を要するため、その開発を次年度に伸ばすことにし、残額が発生した。この残額を、リハビリ支援システムの残りの機構及び電気電子回路の開発・改良等のために次年度に用いる。これにより、病院での臨床評価に備える。
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