研究課題
平成25年度は前年度に構築したBモード超音波法とモーショントラッキングシステムの併用による筋腱動態計測システムを用いて、足部を用いたホッピング動作を対象に、収縮中の筋腱複合体の筋線維動態および腱組織動態を計測した。平成26年度はこの方法論で反動動作による発揮パワー増強機構およびそのトレーニング効果についての研究を進める予定である。また、伸張性収縮中の筋線維動態を計測し、伸長による骨格筋張力増加機構に関して新たな知見を得ることができた。一連の研究は大学院生の修士論文として結実し、平成26年度に開催される国際学会で発表の予定である。さらに、超音波エラストグラフィを導入し、骨格筋・腱の力学的特性を計測するための予備的な実験を開始した。平成25年度の終盤には、高齢者を対象に、習慣的な運動実践が骨格筋の形態的・機能的特性に及ぼす影響に関して、3ヶ月の介入研究(体操プログラムの効果検証)を実施した。その結果、筋によって増加の程度が異なるという知見が得られ、被験者にフィードバックを行った。この知見によって、高齢者における骨格筋の形態的・機能的特徴についての研究の方向性が定まった。平成26年度にはさらに詳細な研究を実施する。
2: おおむね順調に進展している
厳密に規定した動作で骨格筋・腱動態を計測するというシステムは完成し、それをもとに、身体運動の仕組みやそのパフォーマンスの規定因子を明らかにするという目的は最終年度に達成できそうである。
最終年度である平成26年度にはこれまでに構築した方法論によって骨格筋・腱特性や筋腱相互作用のメカニズムについての研究、およびそのトレーニング効果についての研究を進める。また、人間の骨格筋・腱特性の可塑性に関しても一定の知見が得られるとともに、新たな測定手法の導入も視野に入った。高齢者における骨格筋の形態的・機能的特徴についてについても、詳細な研究を実施する予定である。
雇用していた研究補助者が契約途中で海外大学の研究員として赴任し、人件費の支出額が少なくなったため。研究補助者の雇用を中心に費消することを予定している。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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