研究課題/領域番号 |
24300216
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
本田 靖 筑波大学, 体育系, 教授 (20165616)
|
研究分担者 |
西保 岳 筑波大学, 体育系, 教授 (90237751)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 暑熱順化 / 体温上昇 / 換気反応 |
研究概要 |
スポーツ・体育現場において、夏季スポーツや体育授業の適切なあり方について、緊急に検討する必要があり、特に、現場で実践可能な熱中症予防対策は喫緊の課題である。本研究では、スポーツ・体育現場で応用可能な熱中症予防策として、効果的な短期暑熱順化運動プログラム(温度・運動強度の検討)を開発することを目的としている。今年度は、安静時暑熱順化が安静時における温度感覚および快適感に及ぼす影響を検討した。 健常男性9名を対象とし、10日間連続の安静時暑熱暴露 (室温45℃,湿度50%の環境下で2時間の安静暴露; 深部体温は38.5℃で維持) の前後で、温度感覚テストを実施した。このテストでは、室温25℃、湿度50%の常温環境下で10分間の座位安静後、室温を30℃ (20分間)、35℃ (20分間) および40℃ (30分間) へと段階的に上昇させ、その時の体温・循環反応 (食道温、平均皮膚温、局所発汗量、皮膚血流量、心拍数、平均血圧)、温度感覚および快適感を測定した。 食道温は室温25および30℃ではほとんど変化しなかったが、室温35℃以降に徐々に上昇した。食道温は順化後に低値を示したが、順化前後で有意差はみられなかった。皮膚温は室温の上昇に伴って徐々に上昇し、順化前後で有意差はみられなかった。胸部発汗量および皮膚血流量、心拍数、平均血圧においても暑熱順化の影響はみられなかった。温度感覚は室温上昇に伴って徐々に増加し、室温25および30℃では順化前後で違いはみられなかったが、室温35および40℃で順化前よりも順化後に有意に低値を示した。快適感においては暑熱順化の有意な影響はみられなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度目的の、短期間安静時暑熱順化時時における温度感覚変化に関する研究が進展したため。
|
今後の研究の推進方策 |
1)過去2年間の暑熱順化実験結果をもとに、効果的な短期暑熱順化プログラムの開発、2)熱中症予防としての運動前のナトリウムと糖入りの飲料摂取の暑熱下運動時の体温や運動パフォーマンスに及ぼす影響についての検討、3)地域別熱中症ハザードマップ作成のための熱中症死亡リスク予測モデルの開発、を推進する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度において、熱中症予防としての運動前のナトリウムと糖入りの飲料摂取の暑熱下運動時の体温や運動パフォーマンスに及ぼす影響についての検討と、地域別熱中症ハザードマップ作成のための熱中症死亡リスク予測モデルの開発、を行う予定であり、それらの実験費用及びデータ解析に必要となったため。 動前のナトリウムと糖入りの飲料摂取の暑熱下運動時の体温や運動パフォーマンスに及ぼす影響に関する実験のための実験謝金及び死亡リスクモデル作成における統計解析謝金に充てる予定である。
|