研究課題/領域番号 |
24300217
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
甲斐 健人 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50272183)
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研究分担者 |
前田 和司 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30229299)
大沼 義彦 日本女子大学, 人間社会学部, 教授(Professor) (70213808)
後藤 貴浩 熊本大学, 教育学部, 准教授 (20289622)
橋本 政晴 信州大学, 教育学部, 講師 (90350181)
伊藤 恵造 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (40451653)
村田 周祐 東北福祉大学, 総合福祉学部社会教育学科, 助教 (00634221)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スポーツ人材育成 / 社会移動 / 生活戦略 / スポーツ空間 / スポーツ基本法 / スポーツ社会学 |
研究概要 |
スポーツ人材育成が組織化され早期化されつつある中で、スポーツに勤しむ人々がどのように暮らしていくかという問いに迫るために、①スポーツ人材育成の社会的経済的構造分析、②スポーツ選手、関係者の社会移動の実態分析を行うことが、本研究の全体構想である。具体的には、スポーツの種目差を考慮したうえで、スポーツ団体を選定し、①その社会的経済的基盤と運営方針、②それに伴う流出入と生活実践、③スポーツと社会移動および人々の「戦略」の解明をめざす。 研究期間3年の2年目にあたる25年度は、スポーツ種目間の関係を理解するために理論的に構成したスポーツ空間をふまえ、サッカー、バスケットボール、バドミントン、アイスホッケー、スピードスケート、スキージャンプ、サーフィン、フットサルの各種目を行う人々を対象とした、調査を実施している。調査は対象者にあわせ、当初予定していた調査地以外で実施する必要もでてきている。また、研究会を定期的に行い、議論を重ねている。なお、研究代表者、研究分担者、連携研究者以外にも適宜、調査補助者や講師の協力を得て、研究を推進している。 それらの成果の一部を26年3月に日本スポーツ社会学会第23回大会(北海道大学)で5名が報告を行った。甲斐報告は、スポーツに携わる人々の生活をとらえる枠組みについて、理論的整理を試みた。「生存」と「生活」の位相を区分する意義を示し、スポーツ空間を描き、各事例の位置づけを明らかにした。甲斐報告をふまえ、サッカー(後藤)、アイスホッケー(前田)、サーフィン(村田)、フットサル(植田:調査協力者)に携わる人々を対象とした事例研究が報告された。各種目のおかれた社会的経済的状況の中で、人々の「生活戦略」に差異がみられることが示されつつあり、26年度は、より実証的なデータ収集に努め、研究会によるディスカッション等を通して、研究のまとめを行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題を達成するために、研究の理論的整理と事例研究の推進を計画している。研究を推進するために必要な、理論的整理は研究代表者が日本スポーツ社会学会で報告し、一定の成果を得ている。8種目選定した事例研究についても、研究代表者、研究分担者、および調査補助者が国内外で調査を進行中である。そのうち4事例については、日本スポーツ社会学会で報告した。それ以外の事例についても、研究会では報告されており、順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
進行中の事例研究をさらに推進し、各事例の取りまとめを行う。なお、海外調査の必要も増しており、適宜、実施する。各事例の成果をふまえて、全体の議論を取りまとめ、理論的整理を行う。そのために、定期的に研究会を開催し、議論の機会を設ける。研究成果の一部を日本体育学会(26年8月)または、日本スポーツ社会学会(27年3月)で報告し、研究の充実を図りたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者、各研究分担者が、効率的な経費の執行に努めた結果である。なお、前年度の未使用額と今年度の未使用額を比較すると、減額されており、当初予定していたH25年度の予算額を超える経費を使用している。調査が軌道に乗り、経費が順調に支出されていると考える。 H26年度は、海外調査を拡大する必要が発生したため、当初計画に盛り込まれた以上の調査費用が想定される。H25年度の未使用額を含めた経費全額を使用する予定である。
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