研究課題/領域番号 |
24300222
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (40343214)
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研究分担者 |
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (50193321)
齊藤 満 愛知学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80126862)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 呼吸筋 / 運動 / 循環 / 代謝受容器反射 |
研究概要 |
本年度の目的は,低酸素環境における運動時の吸気抵抗負荷による呼吸筋の疲労が,循環調節に及ぼす影響を明らかにすることであった. 運動にはリカンベント式の自転車エルゴメータを用いた. 被験者は常酸素(21%)および低酸素(12%)ガスを吸入しながら最高酸素摂取量を測定した. 最高酸素摂取量の40%強度を算出し,10分間の最大下運動を実施した.運動時に吸気抵抗を負荷し,血圧および筋交感神経活動を記録した.両環境での吸気抵抗負荷において,血圧上昇および筋交感神経活動の増大が認められ,低酸素環境での変化は常酸素環境より大きかった. これらの結果から,低酸素環境は運動時の呼吸筋疲労による代謝受容器反射を増大することが明らかとなった. 本研究の成果は,Katayama et al. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 304: R374-R382に掲載されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数名の被験者にて,筋交感神経活動がうまく測定できず時間を要した.これらの被験者については再度測定を実施し,統計解析が可能な被験者数を確保することができた. 年度初めに計画した実験計画については達成することができている.また,学術論文や国際学会での研究成果発表を行えたことから,研究がおおむね順調であると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
26年度の計画について. 慢性閉塞性肺疾患患者では,運動時に吸気抵抗のみならず呼気抵抗も増加する.抵抗の増加は呼息筋の仕事量の増大につながり,呼吸困難感により運動パフォーマンスの継続が不可能となる.また,この呼息筋の疲労は代謝受容器反射を介した血管収縮,血圧上昇を引き起こすと考えられる.そこで,今年度は運動時に呼息側へ抵抗を負荷し,呼息筋を疲労させた場合の運動時の循環調節に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする.運動には自転車エルゴメータを用いるが,活動筋である大腿四頭筋への影響をみるために,近赤外分光装置を用いて活動筋の酸素動態も観察する.
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