研究課題/領域番号 |
24300230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
豊島 裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70328342)
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研究分担者 |
木村 直史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80138742)
遠藤 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20158786)
斉藤 和恵 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90601956)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ストレス / 介護職 / 自律神経機能 / 認知症 |
研究概要 |
1.研究方法 (1)生理学的方法;ホルター心電計で記録した心電図のRR間隔変動の最大エントロピー法による周波数解析で、LF成分(交感神経活動)とHF成分(迷走神経活動)を求めその比LF/HFをストレスの指標として用いた。 (2)介護スタッフの背景調査;年齢、性別、経歴、生活習慣などと、調査票で精神的な状態を評価する。 2.研究プロトコル:介護スタッフは出勤後、ホルター心電計を装着し、通常通り業務を行い、業務中内容、特別なイベントなどを業務日誌に記録する。業務終了後、ボルター心電図を外す。研究グループは、ホルター心電図の周波数解析を行い、ストレス反応を数値化し、背景・調査票の内容と比較検討する。 3.対象者:民間ケアホームEの認知症介護スタッフで、同意を得た方で、男性2人、女性4人の計6人(平均年齢49.0±13.8歳)。検査当日の平均受け持ち認知症患者数は16±11人、これまでの平均実務経験年は6。5±5.5年。 4.結果 (1)安静時のストレス反応指数LF/HFは1.5で、これまで研究した医師、看護師と同様であった。 (2)LF/HFは精神的緊張だけでなく、階段を駆け上がるような筋肉運動でより高くなることが知られている。今回の結果でも、ベッドメイキング、配膳・下膳などでLF/HFが比較的高い値になっていたが、LF/HFが最も高かったのは、介護記録記入、被介護者の手を引いて誘導など明らかに緊張を強いられる業務であった。 (3)業務全体のLF/HFは、これまで行った看護師対象研究と同程度の値であった。 5.考察:今回の研究から、介護スタッフのストレス反応は、看護師に比して有意に高くないのに、強いストレスを自覚していて、離職率も高い。これは、介護スタッフに対するストレス対処法教育の不足から来るストレス解消不全によるものと考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に予定していた内容を若干前倒しで行った関係で、24年度に当初予定していた内容が少し遅れ気味であるが、全体的にみておおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に行った、介護職の職場におけるストレス測定と、施設入居中の認知症患者の生理学的検査を平行して行っていく。平成24年度は、パイロットケースとして民間施設で研究を行ったが、平成25年度は公的施設を対象に広範な研究を行いたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
認知症の症状を、脳血流と事象関連電位で評価するため、近赤外光イメージング装置を有償でリースする予定である。また、ストレス関連ホルモンの測定を検査会社に外注して行いたいと考えている。
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