研究課題/領域番号 |
24300232
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
荒尾 孝 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00409707)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域集団戦略 / 身体活動 / ウォーキング / 膝痛 / 膝痛軽減体操 / フォーマティブリサーチ / 人材育成 |
研究概要 |
【目的】本研究の目的は、中年期の健康づくりとしてのウォーキングと高齢者の健康課題の1つである膝痛を軽減する体操をそれぞれ地域住民に普及させる地域集団戦略を開発することである。本年度は、地域集団戦略の開発期間として、(1)ウォーキング普及システムの構築と、(2)これまでに開発された膝痛軽減体操プログラムの普及のための改善をそれぞれ実施することである。 【実施内容】本年度は介入対象地域において、上記目的に関する研究とシステム開発を実施した。 (1)ウォーキング普及システムの構築 地域全体で実施されている既存のウォーキング事業を、今後は対象地域の7地区で実施することとし、各地区にウォーキング運営委員会を設立し、そのための人材育成事業を実施した。すなわち、各地区のウォーキング委員を対象(約50名)として、今後各地区で実施するウォーキング会開催に必要な基本的事項(ウォーキングの技術、安全性、健康づくりとしての意義、など)と企画・運営事項(事前準備、当日作業、会員登録、情報・連絡など)についての研修会を開催した。また、研修修了者を対象として、各地区ウォーキング会のネットワークを構築するための懇談会を開催した。 (2)膝痛軽減体操普及のためのプログラム改善 高齢者クラブ会員23名を対象に、フォーマティブ・リサーチを実施した。すなわち、実施予定の膝痛軽減体操を1ヶ月間実施してもらい、その後フォーカスグループインタビューにより、体操の主観的効果、体操の促進・阻害要因、体操の内容に関する意見、情報の普及方策のアイデアなどの項目について情報を聴取した。その結果、膝痛軽減体操を地域全体に普及させる集団戦略を開発する上で重要な基礎資料が得られるとともに、プログラムの改善を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標である、中年期と高齢期の住民を対象としたウオーキングと膝痛改善体操プログラムの地域普及の集団戦略に必要な人材育成とそのネットワーク構築およびプログラムの普及条件に関する情報の収集とそれに基づくプログラム改善が実施できた。また、介入地域(静岡県長泉町)と対照地域(神奈川県大磯町)におけるベースライン調査を一部(介入地域での質問票の発送)を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
介入地域(静岡県長泉町)と対照地域(神奈川県大磯町)において、ベースライン調査を実施する。その後、介入地域において、ウォーキングと膝痛改善体操プログラムの地域普及の集団戦略をさらに構築するとともに、戦略的事業の企画・実施を行い、年度末に短期的効果が期待される項目を中心とした効果評価のための調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた介入地域と対照地域でのベースライン調査の実施時期が遅れたために、当該年度内で終了できなかったことから、そのための費用を次年度に繰り越した。したがって、その調査を次年度の4月から5月にかけて実施予定(実施中)であり、その費用(郵送代金、データ入力・集計の謝金)として繰越金を使用予定である。
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