研究課題/領域番号 |
24300238
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
坂本 静男 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00266032)
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研究分担者 |
樋口 満 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (20192289)
緑川 泰史 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50434345)
沼尾 成晴 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (90454074)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 最大脂質酸化量 / 最大脂質酸化量時運動強度 / 運動中脂質酸化量 / 運動中止後脂質酸化量 |
研究概要 |
【対象と方法】対象は長距離走鍛錬者8名(年齢21.4±1.3歳、身長171.6±6.1cm、体重56.7±8.5kg)であった。プレ実験で身体測定、座位安静時代謝測定、トレッドミルランプ負荷法での運動負荷試験を行い、ピーク時酸素摂取量(VO2peak)、最大脂質酸化量(MFO)、最大脂質酸化量時運動強度(Fatmax)を測定した。本実験で65%VO2peakで30分間あるいはFatmaxで運動中エネルギー消費量が等しく揃う時間、トレッドミル運動負荷を行い、その後2時間座位安静とした(回復期)。運動前から回復期まで呼気ガス分析を行い、総脂質酸化量等を求めた。運動前、運動中止直後、中止30分後、1時間後、2時間後に採血を行い、脂質酸化関連物質を測定した。【結果】Fatmaxは40%VO2peak前後であった。運動中および運動後のエネルギー消費量に試行間で有意差はなかった。運動中の総脂質酸化量はFatmax試行の方が65%VO2peak試行よりも有意に多く(Fatmax試行:15.6±5.1g、65%VO2peak試行:8.0±3.4g)、回復期総脂質酸化量は試行間に差はなく(Fatmax試行:7.8±3.4g、65%VO2peak試行:8.7±2.6g)、運動中、回復期の合計総脂質酸化量はFatmax試行の方が65%VO2peak試行よりも有意に多かった(Fatmax試行:23.4±7.6g、65%VO2peak試行:16.6±4.8g)。Fatmax試行でFatmaxとMFOとの間に有意な負相関を認めたが、65%VO2peak試行ではFatmaxとMFOとの間に相関を認めなかった。【考察】中等度強度内であれば運動による総脂質酸化量はFatmaxでより多く、体脂肪量をより効率よく減少させると考えられる。MFOが大きい対象は、Fatmaxでの運動がより推奨されることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した測定内容はほぼ実施できているが、対象者を選ぶ上で障壁があること(運動中も正中静脈等にカニューレを挿入して置くこと、試行1回の測定時間が長いこと、試行が3回になること等)から、検討に十分な対象数が得られなかった。それゆえ統計処理が完璧には行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に実施した朝・夕の時間帯による最大脂質酸化量に関する検討、そして平成25年度に実施した運動強度の相違による総脂質酸化量に関する検討を、さらに対象者数を各々10名ほど増加させて、統計的信頼性を高めるために同様の検討を実施する。また検討項目の内容に、抗酸化物質や炎症所見を表すものを追加する。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画した測定内容はほぼ実施できているが、対象者を選ぶ上で障壁があること(運動中も正中静脈等にカニューレを挿入して置くこと、試行1回の測定時間が長いこと、試行が3回になること等)から、検討に十分な対象数が得られなかったため。 平成24年度に実施した朝・夕の時間帯による最大脂質酸化量に関する検討、そして平成25年度に実施した運動強度の相違による総脂質酸化量に関する検討を、さらに対象者数を各々10名ほど増加させて、統計的信頼性を高めるために同様の検討を実施する。また検討項目の内容に、抗酸化物質や炎症所見を表すものを追加する。対象者数を増加し、検査項目の追加によりこれらの金額を使いきる。
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