研究課題
本年度は,サルコペニア関連遺伝子多型と健康関連指標や体力,食事調査結果との関係について検討した.全ゲノム遺伝子多型高密度解析についてはillumina社製gene chipを用いて,ヒトゲノム上に点在する約“600万個の一塩基多型”を分析し,サルコペニアに関連する多型(tagSNP)を同定した.これらの結果に関しては横断的・縦断的な解析を進めるとともに,海外の学術誌への投稿を目指している.また,サルコペニアと肥満の合併はサルコペニア肥満と呼ばれており,それぞれ個別の影響よりも生活習慣病発症リスクを増大させる.しかし現在のところ,超音波法を用いて評価した部位別サルコぺニアと生活習慣病リスクとの関連を肥満者において調査した研究はみられない.本研究ではサルコペニアとメタボリックシンドロームリスク因子との横断的な関係には,部位による違いが認められ,特に肥満者を対象としたサルコペニアの早期検出には,超音波法による腹部筋厚が有用である可能性が示唆された.本研究成果は,アメリカスポーツ医学会(2014.05.オーランド)にて発表するとともに,現在PLOSONE誌に投稿準備中である.さらに,予防医療への応用を考えた場合,より簡易な方法でサルコペニアを判別し,サルコペニアをより広く普及させることが望ましいと考えられる.本年度は,40~89歳の日本人成人男女526名を対象に,形態計測値を用いたサルコペニア簡易評価法を開発した.その結果,下腿囲はDXA法で評価した体肢筋量と男女ともに有意な相関関係を示すとともに,ROC解析によると男性は34cm(感度88%、特異性91%),女性は33cm(感度76%、特異性73%)で,スクリーニング精度が最も高かった.本研究の成果は,Geriatr Gerontol Int誌に掲載された(Kawakami et al GGI 2014).
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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