研究課題/領域番号 |
24300241
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
谷田 創 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (20197528)
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研究分担者 |
七木田 敦 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60252821)
望月 悦子 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (80389080)
森元 眞紀子 中国短期大学, 保育学科, 教授 (60442357)
木場 有紀 帝京科学大学, こども学部, 講師 (30610703)
櫻井 富士朗 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (90570705)
山下 久美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (80410158)
小川 景子 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (70546861)
森元 真理 広島大学, 生物圏科学研究科, 特任助教 (30611678)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 動物介在教育 / 幼稚園 / 幼児教育 / 保育 / 介在動物 / 動物福祉 / 生き物 / アニマルセラピー |
研究概要 |
わが国の幼稚園では明治期から保育の一環として生き物飼育が伝統的に行われてきた。しかし現在では、保育者の知識不足と意識の低下による不適切な飼育や不衛生な管理、幼児への誤った指導など、生き物飼育による本来の保育の意義が見失われ、飼育の形骸化が幼児の心身に悪影響を及ぼしているという報告もある。その一方で、近年は子どもとを取り巻く環境が大きく変貌しており、物質的な豊かさは享受していていも、自然の中で生き物に触れるなどの屋外遊びの場が奪われたことにより、子どもの「生きる力」が低下したとする指摘がある。そこで本研究は、保育学、教育学、精神生理学、獣医学、動物行動学、動物介在教育学の専門家が有機的に関わり、「幼児のための生き物を介在した保育システム(AAEFC)を確立し、幼稚園や保育園における生き物飼育を通した保育を再構築することで、子どもの「生きる力」の育成を目指した。平成25年度は以下の研究を実施した。 1)犬の訪問活動を通した幼稚園飼育動物の福祉の改善に関する研究 犬を幼稚園に連れて行き、幼児と関わらせることを通して、幼児と保育者の動物に対する知識と意識を高めることで、幼稚園で飼育されているウサギやサカナの飼育環境の改善につなげることを目指した。研究の結果、犬の訪問活動によって、幼児と保育者の動物に対する関心が高まり、そのことが幼稚園の飼育動物の飼育環境の改善にもつながることが明らかとなった。 2)高齢化した幼稚園のウサギとのふれあいを通した幼児の心の育みに関する研究 幼稚園の飼育動物は終世飼育が必須条件であるが、高齢化した動物の飼育管理にはかなりの知識が必要で、また高齢化動物をいたわる心が必要となる。一般的な幼稚園の認識としては、高齢化動物の飼育は手間がかかるということで敬遠されがちであるが、本研究では高齢化したウサギの世話を幼児にさせることで教育効果のあることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおりに、幼稚園における動物介在教育プログラムの開発を進めることができた。さらにそのプログラムを幼稚園で実際に試行してその効果を検証することができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、これまでに開発してきた動物介在教育プログラム(AAEFC)の内容の充実を図るとともに、プログラムの一部を実際の幼稚園で実施して、その効果を科学的に検証することを通して、将来的にわが国の幼稚園で実施可能なプログラムの開発につなげていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた介在動物による教育機関への訪問活動における教育効果の評価についての研究計画の一部を次年度に繰り越したため。 繰り越した研究計画を適正に実施するために本来の計画どおりに使用する。
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