研究課題/領域番号 |
24300244
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
前橋 明 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80199637)
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研究分担者 |
浅川 和美 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60283199)
佐野 裕子 仙台白百合女子大学, 人間学部, 准教授 (50596088)
松尾 瑞穂 国際学院埼玉短期大学, 幼児保育学科, 講師 (90592949)
泉 秀生 郡山女子大学, 家政学部, 講師 (40633920)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 幼児 / 生活習慣調査 / 生活リズム / 個別健康カード / 啓発実践 / キャラバン活動 / 親子ふれあい体操 / 健康づくりリーフレット |
研究概要 |
平成25年度は、平成22年度に構築した個別健康カード作成システムを用い、わが国の幼児を対象に、生活習慣調査を実施して、個々に、あるいは地域ごとに、子どもたちの抱える問題点を提示してフィードバックする、生活リズム向上支援活動を計画・実施した。また、有効と思われる生活リズム向上のための理論と実技の講習や啓発活動を、各都府県の教育委員会や保育・教育団体の協力を得て、全国的に展開していった。中でも、沖縄キャラバンや高知キャラバンを企画し、約1週間、それぞれの地域の各市町村をまわる講演や実技支援活動を行った。 本年度の調査は、宮城、長野、新潟、埼玉、東京、静岡、福井、大阪、兵庫、岡山、広島、高知、大分、熊本、沖縄の各県をはじめとする地域を中心に行った。つまり、子どもたちの生活習慣調査を通して、各地域の子どもたちの健康管理上の課題を明らかにし、保護者や保育者、行政担当者などを対象とした報告会や講演・講習会を行い、地域ごとに有効な対策を検討した。 また、全国の幼児・小学生・中学生の調査から、加齢に伴う生活習慣とそのリズムについても分析を加え、あわせて、食生活や習い事、あそび等の余暇時間の活用、朝の疲労度などについての課題を明らかにしていった。それらの結果を、学会発表や学会誌への論文掲載などを通して、日本全域への報告と啓発活動を展開した。 高知県や沖縄県本島の中学校では、幼稚園や保育園の先生方と連携して,「幼児と中学生のふれあい体操」を実施し、定着化を図った。これらの活動は、子どもたちのからだの発達だけでなく、知的な面や創造力の育成、ならびに、人と人とのコミュニケーションづくりに大いに役立った。このようなつながりの中で育った幼児は、やがて小学生となり、中学生、高校生、地域の一員となって、より良い人間関係づくりや仲間づくり、地域づくりを実現させていくようになることが期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個別健康カード作成システムを用いて、東北から九州まで、わが国の子どもたちの生活習慣調査を行い、生活リズム向上作戦を実施した。具体的には、22地域の保育園幼児5,490名、23地域の幼稚園幼児4,147名の生活習慣調査を実施した。また、加齢に伴う生活課題を見いだすために、7地域の7,441名の小学校児童、3,492名の中学校生徒、2地域の1,111名の高等学校生徒の生活習慣調査もあわせて実施し、それらの検討結果も、地域または個人にフィードバックした。 生活習慣調査の結果は、今後の指導に役立てることを願って報告書としてまとめ、協力いただいた都府県や市町村、または保育園・幼稚園、小学校、中学校、高等学校に提出した。また、各地域の保護者や保育者、行政担当者などを対象とした報告会や講演・講習会を行い、各地域の特徴を踏まえた生活リズム改善活動支援を行った。生活習慣調査の結果から32の論文や報告書を作成し、学会誌や紀要に掲載することを通して、全国に向けての啓発活動を活発化していった。 中でも、行政や教育委員会との連携のもと、生活リズム改善に向けての運動実践のための実技指導に力を注ぎ、積極的に展開した。「親子ふれあい体操」や「幼児と中学生のふれあい体操」等の会を全国各地で開催した。また、沖縄県や高知県では、子ども支援のキャラバン隊を組織して地域に赴き、保護者や保育者、教師、子どもたちを直接の対象とした講演や実技指導を行い、生活リズム向上のための理論と実践の普及・啓発活動を展開した。それらの結果をもとに、10本の研究論文・報告書を作成し、学会誌に掲載した。
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究成果をもとに、幼児の夜型化した生活リズムを改善するために、運動指導の理論普及と指導実践を行う。さらに、啓発活動や運動実践の効果を評価するための指標を作成し、実践活動の効果を実証的に評価する。 各地域での啓発活動や実技指導などの指導実践とその効果を検証し、結果を日本保育園保健学会や日本乳幼児教育学会、日本幼児体育学会、アジア幼児体育学会、日本レジャー・レクリエーション学会などで発表するとともに、健康づくりのためにリーフレットや子ども支援マニュアルを作成し、啓発活動を促進する。
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